秘密

あなたの全てを理解することも

わたしの全てを理解してもらうことも

きっと無理だと思うのです


それはこの世界の全部を

知ることと同じくらいに


誰にも秘密がある

そんな大きな秘密でなくても

例えば心の奥底のこと


全部見せないと卑怯だというなら

この世は卑怯者だらけになってしまう


そんな正直なんていらない

そんな真実（ほんとう）なんて見たくない


それにわたしは知っている

例えば、あなたに秘密があっても

あなたという人を信じている


あなたの秘密はあなたが抱えたもの

わたしの秘密もわたしが抱えたもの


全てを知らなくても、わたしは知っている

あなたがどんな人かを知って

そうして、あなたという人を信じている


抱える重みを知っているから

だからね、恐れないで


わたしが信じたあなただから

あなたが信じたわたしですもの

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