雪中花

冬空の下に

小さき蕾を見つけ

寒風に揺れる姿に

思わず手で覆いたくなる

そんなことをしても

ずっと覆い続けられるわけもなく

何もなりはしないのに


手を退けるとまた風に揺れる蕾

それでもきっとこの蕾は開く

風に揺さぶられながらでも

内気そうに俯きながらも

水仙という名のこの花は

凛としていて

その茎と葉のすっくとした姿


冬に咲く花は芯に強さを秘めて

耐えながらも待ち続けて花開く


それは密やかでありながら美しい

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