深爪
年ごとに
爪摘むたびに深くなる
指先の
溜まった澱を摘みとって
新聞紙
上に散らばる白い三日月
ギリギリ瀬戸際まで摘まなければ
どうしても我慢できなくて
爪は今では丸く少女のものの様になった
わたしは捨てたくて
ずっと
この湿気をたっぷり含んだような
昏い芯熱を捨てたくて
深爪をし続けている
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