月が哭いている

三日月よりも細く薄く尖った月は

二日月、繊月せんげつとも呼ばれる


繰り返される満ち欠け輪廻の中で

頼りなげに空にたたずむむその姿


月は静かだと人はいう

穏やかな明かりだと微笑む


けれど月の孤独を誰も知らない

当たり前のように気づかない


月はいている

あんなにむせび哭いているのに


その姿も声もはかなすぎて知られない

せめて満月の夜にけばいいのに


繊月せんげつの夜にだけ

月は


ああ、不器用な月よ


今夜、月がいている

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