第18話 *ひいおじいちゃん*
*ひいおじいちゃん*
ひいおじいちゃんは せんそうにいったひとだった
とおい とおい まれーしあ というくにで
たたかいたくもないのに たたかって
いきのびてきたひとだった
ぼくが ままにおこられると
ひいおじいちゃんがそばにきて よくいった
「人生に無駄なことなんてなんにもなかよ」
「うそだ!」
ぼくがいっても ひいおじいちゃんはおこりもせず
おだやかに わらっていった
「無駄なことなんてなんにもなかとよ」
石につまずいて転んだっちゃ 次の日にはその石に気を付けるやろ?
おちょくられたり いじめられたりしたっちゃ
心の痛みがわかるけん 勉強になるやろう?
おかあさんが怒るとは お前が憎いわけじゃなか
お前を一人前にしたかけん 怒るとたい
ひいおじいちゃんは おこらないひとだった
おだやかで しずかで やさしいひと
あの時にはわからなかった 言葉の意味が 今はよく分かる
赤トンボが空に舞い もうじきお盆
ひいおじいちゃんが うちに帰ってくる
注:転んだりしたっちゃ → 転んだとしても
いじめられたりしたっちゃ → いじめられたとしても の意味。
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