セクシーチサ

 女王様スタイルのセイさんが、ピンク色の部屋に現れた。


「ダイキさま、今から三〇分以内に、脱出してください。でなければ、ゲームオーバーとなります」

「わかりました。この◯ックスって、本来の意味じゃないですよね?」

「それを探っていただきます。見事、◯に入る言葉を探し出して、実行してください」


 ヒントは、この部屋に大量に置いてあるという。


「あのぉ、エッチなことをしたら脱落ですよね?」

「お教えしても、いいかも知れませんね。そのとおりです。センシティブな行動をなさった場合、運営は不適切と見なして退場となります」


 やはりだ。本当にエッチな行為はダメなんだな。


「ですが、その間にガマンができなくなるかもしれません」


 床から、モワモワと煙が上がってきた。これも、ピンク色だな。モモみたいな香りがする。


 なんだか、頭がフワフワしてきたぞ。


 後ろで、もぞもぞと何かが動いていた。チサちゃんが、ボクの背中をよじ登ってきたのだ。


「チサちゃん?」

「ダイキ、体が熱い」


 チサちゃんが、ボクにもたれかかってきた。ほっぺたに何度もチュウをしてくる。


「あれ? どうしたのチサちゃん?」


 どうも、チサちゃんの様子がおかしい。


「なんかチューしたい気分」


 そういうチサちゃんの目には、ハートができている。


 耳元でささやかれて、ボクも頭がショートしそうになってきた。


 頭の中で、チサちゃんとエッチするイメージが膨らんでくる。


 イカンイカン。チサちゃんの誘惑に耐えて、脱出のカギを見つけ出さないと。


「この煙、なんか作用がありますね?」

「ロイリ様特製、催淫剤入りのガスです。吸い込んだら、いやらしいことしか考えられなくなります」


 といっても、チサちゃんの知識ではスキンシップくらいしか思いつかないらしいが。


「お気をつけください。このガスは、相手に性の知識を植え付けます。三〇分もすれば、このほてりの原因も、解消法も把握してしまうでしょう」


 だったら、ヤバイじゃん!


「セイさんは平気なんですね」

「ええ。監視役ですから。ワタシはロイリ様から、適切な処置をしていただきました。では、あなたが脱出できるか、監視いたします」


 セイさんが、指を鳴らす。


 突然、ボクたちの装備がなくなった。すっかり、丸裸である。


「脱出できましたら、装備品はお返しいたします」


 一刻も早く、ココから出ないと。


「ダイキ、どうして目をそらすの?」

「いや、あの」


 すごく恥ずかしい。チサちゃんのハダカは、慣れているはずなのに。


「ガスに含まれている成分が、性的な行為へと誘発しているからです」


 だから、ずっと興奮しっぱなしなのか。

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