第110話 夏の暑さ対策
「はぁーん……半年も喧嘩とかもう今後なしよ?勘弁してーきゅーちゃん!」
さーせん、もう絶対離さないので!
(そういう意味合いだっけ?)
恋愛ゲームじゃなかったっけ?
(おまえが勝手に設定したんだろ……)
「お庭も広くしたしさ、まぁ裏の方なんだけどね、あっちはプライベートエリアにしようかと思ってんの、ほら、元勇者さん達も小屋か裏しかほぼ行ける場所なかったし?」
グズ勇者の正体知らないからな、マドロンさんは、イケメンには弱い女よ。
みーちゃんと半年に及ぶ喧嘩によってお客のさんにも迷惑掛けたしヨーン達も気遣ってくれたし、色々な人に迷惑かけた。
今は背中に張り付いている、というかあれから二週間経つがご飯時とブラッシング以外ずっと居る、嬉しいんだけど、真夏だからちょっと暑いけど、ぴーちゃんが睨んで我慢しろって視線寄越すので我慢します!
「ねぇー聞いてる?お庭に何かさ希望とかある?置いて欲しいのとか?」
「ピ」かね
埋蔵金か……それもいい、じゃねーよ、やっぱりずっと気になってたのは皆の運動不足かな?アスレチック的なのがあるといいね、ドッグランみたいな?
と、いうのを地面にカキカキ。
「あすれちっく?何その響き、ロマン?」
知らなかった!えーと遊びながら運動できる様な玩具?建物?何て言えばいいんだろ?
「あらあらまだ引っ付きなんですね、暑いでしょう?引き離しますか?」
副店長ー!なに言うの!鬼畜!
「ちょー!八つ当たりは駄目ー!」
「はいはい、それで?遊びながら運動?というのは具体的に思い付かないのですけど?」
うーむ、どう伝えるか考えてたら、さっと目の前に黒板みたいな白い板が、これに書くの?
「毎回地面に書かれると芝生が痛むのと、これなら繰り返し使えますしね。」
す、すいませーん……
黒板みたいなのに、ていうかホワイトボードの板?……黒板と勝手に呼ぼう、炭で書くようだ、ネイルみたいになるやんけ?黒の?ゴージャス?
「使い方知らないんじゃないの?学生じゃ無いんだし、犬だし?」
「分かるでしょう、炭に爪付けてますから?」
「ハッ!やっぱ天才!」
文字で書くよりは、器具を思い浮かべた方がいいよね、アスレチック。
木で出来るもんしか作れないよねー……カキカキ……カキカキ。
「木を組み立てる感じ?……あー登ったり降りたり……運動か……」
「別段鍛える目的では無いみたいですね、遊びながら運動で気分がスッキリするのかしら?」
コクコク、カキカキ……
「きゅーちゃんってこう言うネタどこで仕入れてるんだろう?見たことないよね?」
「冒険に行ってる間に見たのでは?店長も余り遠出した事ないでしょう?」
「だってーお店あるしー?」
「長期休暇取ってもいいですよ?帰ったとき何があるか知りませんが?」
「脅しじゃん!馬車馬の様に働くよ!」
「早速、それを作って貰いますか」
「おおぇ?男手三人も居るよ!」
「ああ……グズ達が居ましたね、忘れてました、グズなんて覚えるものでは無いでしょう?消すものですから。」
「いつの間にか消えていそう……」
そう思う……カキカキ
粗方書き終わった所で解放される、ふぅ、それにしても今日は暑いなーヨーンも団子になってない、芝生のあちこちで転がってる、未だに何処が目なのか分からん生き物だけど、一匹のヨーンをツンツンしてみる、遊ぼう?
((ぼすー暑いですー))
はうあー!皆夏バテしてるぽいー!かと言う俺もぬいぐるみカットだが、背中にみーちゃんが居るから暑いです……みーちゃんは暑くないのかな?水分取ってる?てか取る?
「ンミァ」あついのーのむの
召喚でスポドリを出す、けど開けられない、ポンコツー!開けてよー!
「はい?はーい……ってコレ何ですか?」
上のね白いとこ蓋なの、回すと外れるから、やってみろ。
「回すと、成る程!」
キャップを持ってボトルごとグルグルさせた、何かさ、やるかなーとは思った。
そーじゃないの!蓋だけ回すの!
「蓋だけ……?む、難しい……」
「ポンコツさん?何それ?変なのあげたら駄目だよ?ってか何それ?」
「店長ーこれはきゅーちゃんが持ってたのです、それで蓋を回して開けてって、言うんですけど……中々難しくて?」
「蓋を?何処が蓋なんだろ……?見たことない形だなー?何か切れ目がある?これかな」
蓋を持ってぐるっと!カチっと鳴った、取れたやん!すごいやん!
「わ!店長ー!天才!」
「やーやー!どもども!」
それ水で割って飲ませてくれや。
「あーお水で割る?……割る」
「多分ポンコツさんが考えてるのとは違うよ?ちょっと待っててー。」
ポンコツは水をどうにか割るつもりだったようだ、モーゼかっ!
「え、いや、そんな事は、へへへー」
「へいー割ったよ?ちょっと味見したけどこれ美味しいね!何か不思議な味だけど!」
飲み水のポールにたぷたぷ注ぐ、勝手に飲むな!癖になったらどーすんだ!
「ミッ」あまいにおいー
そやでー暑いときは砂糖と塩が大事なのさー薄味だけど水よりマシよ?
「ミッ」あまいーおいしいの
ペロペロ一生懸命飲んでる、やっぱ背中は暑いよね?俺も飲もう、ぴーちゃんは?何処?
「ぴーちゃんは副店長と買い物です、練習だって連れて行っちゃいました!」
お前も覚えよ?
「……あ!雑用がっー!」
逃げた!足し算さえまだマトモに出来てないのに!それでも神様ですかっ!?
(面目ない……)
「まぁまぁ、怒らないでよ、計算って出来る人と出来ない人に分かれるじゃん?」
まぁポンコツは教育受けてないもんな、神様って馬鹿なの?
(それは断固反対!出来るもんー!あたし出来る!ミネルバは覚える気がないだけ!)
へぇーじゃ説教コースかな。
とか会話してると、みーちゃんがヨジヨジ、うーん……日陰で休むかー
(魔法使えば?結界で遮断して)
それ蒸し風呂にならんかね?
(え……と、何かさあるんでしょ?ほら魔法使って創作ー得意でしょ地球産は)
扇風機とかエアコンみたいな?そうだなーなら小屋で使った方が良いだろう、まだ喋ってるマドロンさんを無視して小屋へ移動ー。
「何ですか!無視ばっかされてるよ!」
動物専用の入り口があるのでそこから入ると、んー扇風機のが体に優しいよね。
窓は空いてるし循環はおーけー、氷魔法!と風魔法を合体!せんぶうきー!
球体の氷の固まりに風を当てて空気を循環させる、風自体を涼しくする知恵がないのだ!まぁこれもこれで涼しい風にはなるが。
「ミ?」かぜがすずしいの?
せやろ?中々いい感じだよね、暑いなら氷嘗めてもいいし、ヨーン!小屋涼しくしたぞ!
と、ワラワラ入ってくる、一斉過ぎてつっかえてる!落ち着け!
((おーぼすーすごいー!涼しいっす!))
皆が入るとそれぞれコロコロ寝始める。
モフモフの使命は中々辛いよね。
「うわっ涼しいー」「本当だ」「誰が魔法使ったんだろ?」
ん?あー元勇者か、見回すとみんなぐーすか寝てる、あんまり冷やさないようにしないと風邪を引いてしまうからな。
「あ、ワンコさんですか?これ」一号
コクコク、あんまり騒ぐなよ起きるから。
「らじー」二号
「あー成る程……冷風機みたいだ」三号
アスレチック?ドッグラン?みたいなの作る予定だから、お前らの案も出してみて、俺そんな詳しくないから結構適当に教えたし。
「あー広くなりましたもんね、倍位は」
「犬好きだけどそういうのは飼ってないと見ないもんなー……」
「確かに……アスレチックならなんとなく分かるんだけど人間用にならない様に注意しないと、皆が使えないもんな。」
ヨーンも居るしどっちかといえばお子様用にしないとヨーンをなんか特に短足だから、難しいんだよねーヘールストレームなら、余裕だけど、犬用だけじゃ無いから。
「ヨーンもびっくりする位短足ですもんねー、最悪坂道ばっかりになりそう……」
おう、俺も思った、みーちゃんも短足じゃないけど小さいし、ぴーちゃんなんかもヨーンと変わらないしなー……
「副店長が監督しそうな予感、というよりするんだろうから……気が抜けないな。」
裏庭は、一応マドロンさんの希望でもあるし何か元勇者仕様も作っていいんじゃね?
「いや、店長より副店長。」
分かるけどね!
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