第103話 派閥はどこにでもある

「済まないけどもう少し待って貰えるかな?財務大臣がまだ遅れててね。」


 んあーそっすか?ふっかふかのソファーでダラーンと寝そべる、とみーちゃんが登ってくる来て背中に寝そべる、ぴーちゃんは安定の頭でお饅頭。


「ふふふーいいね、癒しは必要だよね……」


 おやおやお疲れですかー?


「お疲れなんですかー?」


「え、まぁ王ですから、やることが多くて」


 アレだろ他の派閥からチョッカイかけられてるんちゃうの?


「他のはばつ?」


「え?……ポンコ……じゃないですね、ワンコさんですか、まぁそれもあったり無かったり……」


 有るんだろ。


 ソファーでから立ち上がるとこちらに来て皆をナデナデ、しょうがないな、タダやで?


「正直血筋なんてどうでもいいと思ってるんですよ、混血がどうので争うなら、いっそ無くしてもいいと思ってるんです、けどそれを許さない人も居ますしね。」


 王政だの貴族だの、そんなの古いんだよ、その内、民主制になるかもよ?要はパンピーでも経済回してくれりゃ誰でもいい、まんじはまじまんじだけどさー。


「と、言ってて、ちんぷんかんぷんです。」


「はは、そういう世の中を知ってる風だね、もしかしたらそうなのかな?……だったら羨ましいね、血筋に拘らない世界か……」


 そもそも親近婚以外はさードンドン血なんて薄れて最早誰だよレベルだよ、だから何だよって話、へぇーで終わるわ。


「と言ってますー」


「それもそうだね、血が大事なのか筋書きが大事なのかよくわからないね、優秀な人がトップになってより良い世界になればそれでいいんだよね、結局。」


 そうそうー賢いねー偉いねー


(だからー子供扱いすんなし、しっかりしてるでしょ!)


 お前と違って似なかったんだな……


(どーいう意味!!)



 お疲れで可哀想な少年王の為に癒しを差し上げようさあ!何でもするがいい!


「えー私もした事ないのにぃ!」


「わー本当ですか?じゃあ遠慮なく。」


 バッと持ち上げられて俺の両前足を万歳。


 存分がこれなら相当お疲れだわー。


「ははっ万歳してみたかったんですよね!」


(あ、あれ?マジで乙ってんの……)


「なんてのもしたかったんですけど、やっぱりーお腹に顔を埋めてクンカクンカが当たり前だととある人に教わりました!」


 と、有言実行、スーハークンカクンカ!


 とある人ってこれやるのマドロンさんだぜ?


 まな板の上のタイの如く押し倒されてクンカされる、や、やだ!ハレンチ!


「むむっ中々良いです……んふー」


「私もやりたい……」


 何でそれがいいのか分からない……


 みーちゃんが少年王の背中にジャンプ、頭をペシペシ叩く、ぴーちゃんがその頭の上で饅頭になる、いやーお疲れですね。



「ぁのー……入ってもよろしいですか…」


 とっくに大臣来てたわ。


「どうぞー後一分待って下さいー」


「は、はぁ。お疲れの様で……」


「ふふふ、もう分からないや……」


 しっかりしろー!お腹に顔を埋めてる少年王の頭をぺしぺし!


「あーはい、しっかりします、お掛けください、大臣。」


「はい、失礼します。」


 ちゃっかり抱き抱えられる、もう!甘えん坊さん!姉妹もおいでー。


 皆で少年王の膝で丸くなるー


「ふふふー可愛いよね?いいなペット」


「お疲れならそれもいいかと……」


「ですね!私もお店のヨーンに癒されます!」


 ポンコツは遊ばれてるだろ。



「それで、魅了勇者に取られたお金返してくれるみたいなんだけど、本当かな?」


 いいよ、だって五億溜め込んでやんの、もしかして他の国でも頂戴してんちゃう?


 サッと一億をテーブルに出す、一割はいいわー、残りの四億貰っとく、出所分からんし?


「だ、そうですー」


「強盗だけで五億は流石に無理な気がします、戦争してた国で奪ったのか、自国で王に貰ったのか……わかりませんね?」


 聞けば分かるんだろうけど更正しつつある今聞きにくいし、もしそうなら、返す手段もないし、返さなくても良いような気がするー。


 ポンコツ通訳ー


「ほうほう、成る程、無用な争いは避けるべきですね、では、お金の方は財務の方に返します、動物さんありがとう御座います。」


 へいへい、問題は粗方終わったのかな?


「ここの国の問題はないんですかー?」


「これといってないね、さっきの派閥位かな、それが一番ややこしいけどね。」


「そうですね、何時までも無用な言い争いばかりで聞いてるだけで疲れますね。」


 ならドラゴンどうすんのー?本当に買い取る余裕あるの?


「あ、ドラゴン本当に買い取るのかって」


「ああ、実はね欲しかったんだよ、全身無駄なく使える素材だし、生憎一匹しか買い取れないのは残念だよー」


「財務の方で話し合いしましたら、二匹までならいいのでは、と、利益のが大きいでしょう?薬にもなりますし、戦争で疲れた国は欲しがるでしょうね。」


 おおっ!二匹お買い上げー!


「ピー!」おおがねもち!


「そうか、ありがとう大臣、では二匹買いますね、まだ有りそうですけど、神様が愚痴ってましたよ?狩りすぎだって。」


 モンスターは狩るために存在する。


「そうですよーモンスターは狩らないと!お金になりませんー!」


(放出しすぎて経済に混乱が起きるから!)


 何でそこを神様が気にすんの?自然に任せるのが神様の役目でもあるんだろー!


(……過去は繰り返すな!って教訓?)


 何かあった訳ねどーせ勇者絡みだろ。


(ほんっと!迷惑!まともなの一握りよ!)


 とか言いつつ召喚すんだから懲りないよな。


(はいはいルール乙!ですよ!)




 はい、そんなこんなでドラゴン売れました!何とお値段一匹一億!二匹で二億!


 と言う事はギルド合わせて三億っ手持ちが四億だから、みーちゃん計算は?


「ミッ!?ミ、ミ」みぃ!?いち、に、さん、し、ご!なの!


 ある意味正解!


「ミッ!」やったの!


「ピー」あるいみの、いみをおしえろ


 ……や、やだなー冗談ー!計七億!


「ピッピッ!」くにかえる!


 国の値段なんてないわ!


「ンミー!」みぃねおやつ、いっぱい!


 もー!みーちゃんのが夢あるよ!


「ピッ」ゆめでめしがくえるかっ


 そ、そうっすね……



 


 でもいつか山奥とかで人目を気にせずまったり生活出来る家とか欲しいなー。

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