第91話 ドンドン進もう

 さてさて、残ったのは俺たちと、勇者三人組、そして盗んだ大量の品。


 はっきり言って盗まれた品はどうしようもない、ギルドに預ける事にする。


 三人の勇者をどうするか考えてなかったよー助けてぴーちゃん!


「ピー?ピピ」ぴぃが?ならどれい


 おう、奴隷制度はないらしい。


「ピ」こきつかう


 ……あ、副店長に聞いてみる?タダで使える雑用。


「ピ!」それだ!


「でもー王様とつるんでるんですよね?どうするんですか?お隣の勇者ですよ?」


(そこは任せて、大義名分が出来たから勇者は剥奪出来る様になったから。)


「勇者剥奪ならもう一般人ですね!」




「ちょ!待ってよ!剥奪!?ポンコツのあんたにそんな権利ないだろ!?」


「私じゃないですー神様ですー」


「え?え?神様ってあのお姉さん?」


 お姉さんなの?プギャーじゃないの?


(普通にお姉さんです!ミネルバと一緒にすんなっ!……ぁ)


「ひぃうーしどいぃぶえー!」


 おま、ポンコツがギャン泣きしたじゃねーか!何世紀弄られたと思ってんだ!!


 みーちゃんとぴーちゃんが流石に女としてフォローに入って慰める。


(ごごごごめんっ!!違うの!普通も悪くないって!!)


 益々泣いた。


「何が起こってるんだ……」


 ふむ、こいつらならいかな?


((おい、勇者どもよ、聞けよ?この念話は犬の俺がしている))


「「「!?」」」


((お前らは既に神から勇者は剥奪された、鑑定済みだ、お前らは只の一般人に成り下がった、そしておまえらがつるんでいた王様とももう会えないし悪巧みも出来ない、なんせ全ての命令を拒否出来ない体になったからな?))


「そ、そんな……」


「マジかよ!」


「でも!能力はかわって


((勇者剥奪、つまり能力も一般人となんらかわりないものになっている。))


「嘘だ!デタラメ言うなよ!犬が!」


((へいへいー掛かってこいやー三人がかりでもよゆー!))


「くそがっ!」「やってやるよ!」「フルパワー!」


 と三人で掛かってきたのをヒョイヒョイかわしつつ、結界も使って全て受け止める、そして一人ずつに犬ビンタ!一般人だから優しく。


「ぶえぅ!」「かはっ!」「ひゃん!」


 軽くしたのに二メートル程ぶっ飛んだ! 


「ち、力が出ない……本当に一般人……」


「何でだよっ!」「痛いー!」


((けけけ自業自得とはこういうこったな、お前らがみーちゃんを狙ってから俺達もお前らを狙ってたんだよ馬鹿))


「犬が腹立つ!」


((もうお国には帰れません、王様も一般人になったお前らを最悪消すだろうな、秘密が漏れるから?王様もグルだったもんなー))


「なんで!何でそこまでしってんだ!?」


((えー?俺達神様に近い存在なんでー何かさーせん?盗み見してたわプギャー!))


「ぎぃー!なんだよ!こんなのが神に近いってオカシイだろ!!」


(……まぁしょうがないよねー)


((で?どうすんの?ねえ?今どんな気分?))


「うっ最悪だ!ど、どうすれば……」


((何なら?俺達が預かってやってもいいんだぜー?俺達に飼われるか、一般人になって生きて行くか選びな。))


「何で飼われる選択肢が……」


((ちなみに飼われると、俺の住んでるお店でタダで雑用三食昼寝付きー))


「「え!」」魅了以外が食いついた。


「だっ!ダメだ!あそこには悪魔が居る!」


 それ副店長の言ですか、否定できない。


「で、ても俺達録に働いた経験ない……」


「俺も、高校生だったから……」


「うっ……何か作って売ればいいんだよ!定番だろ!?ラノベの!」


「俺も趣味ないから何も出来ないわ」


「高校生の、知識ナメんなよーなんもねーよ!そういうお前は!?」


「え……とコミケで本売るとか……」


「「二次創作!!」」


 だから魅了なんてアホなの欲しがったの?


「お前が一番くだらねー!」


「はぁ!?二次創作ナメんなよ!」


「なんもできないじゃんー……」



((どーすんのよ、ずっとここで言い合いしてるなら置いてくけど?))


「すいません!」三人の綺麗な土下座なりぃ


((どっちにしろ、俺達ドラゴン行くから、お前らは帰れよ?因みに俺達の事話したら天罰デース!))


「「「ひぃー!!」」」


((まぁ暫くの宿代はやるよ大人しくしてな、逃げても別にいいけどね?))


 銭を投げつけて、さっさと此処からはなれましょー?六階から本気だすー


「ンミー」だすー


「ピ」ねむい


「びえーん!」



 もう!みーちゃん以外動かないジャン!


「ピー」ぽんこつがあーだから、ここでいっぱくー


 はぁー……しょうがないね、精神的にも疲れたしね、休憩エリアに、せっせとお泊まりセットを出して休憩。


「あ、あのー」魅了は一号な。


「し、暫くの猶予貰っていいですか?」


 んー剣士は二号で魔法は三号!よし!


((いいよーはよ帰れ))


「あ、あざっす!!」


 ノンアクティブで良かったな、攻撃されないで帰れるから。


(ほ、ほらメリットあるあるー!)


 お前は力を貯めて迷彩ね!


(はーい……)



 はぁー長かった……この話しいるかな?って葛藤したわ。


(代弁乙ー……)



 問題も解決したし、後はドラゴンに集中だなー、寝よう……「ンミ」みぃもー


「ピ」まだまださくせん、かんがえる!


「びえー!」 うるさいから結界……





(起きろー!)


 んだよーまだ寝かせて……


(四階に冒険者来てるってー)


 え、そんな時間たったの!?


(六時間は寝てたよ……)


 はぁーそうか、ポンコツは泣き疲れたんだな、でも起こす!ペシペシ!


「ふぁー?もうー?時間でふか?」


 ほら、みーちゃんもぴーちゃんも起きて、冒険者に先越されちゃうよ?


「ミッー」それはやなの


「ピー」ぶっぱしかおもいつかない


 作戦はもう決まってるでしょ!


 朝食たべて軽く運動……、五階はスルーでいいですか?


「ミィ」いいのー


「ピ」もう、どらごんいけば?


「短縮もいいでふねー」


 稼ぐんでしょ!!


「ピ!」そうだった!かね!


 現金なヒヨコだわー……



 そそくさと六階に登る、みーちゃん階段張り切る、六階は何ですかー?


 黒いフードでフラフラしてる、鑑定はグールだ、何よ、こここういうのしか居ないの?


(しらんがな、でも集まりやすいのが集中する傾向はあるかも?)


 ここはアンデッド祭りか……ホーリーさん活躍ぅー!


(浄化でも効くけど?)


 ホーリーのが、カッコイイ。


(へいへい。)


 珍しくぴーちゃんがやる気になってたので暫くぴーちゃん天下にしておく。


「私ほとんど何もしてないです!」


 通訳したじゃん、偉いよ?


「そ、そうですか?ならいいやー」


(簡単!最早簡単操作ー!)


 便利で手間がなくていいですね?


(物は壊せるだろ……)


 ……止めろよそのうち借金しそうだよ!


「ピー!」はんぶんやった!


 おおー!偉いよー!雑談で終わったよ!


(手抜き過ぎじゃねぇ?)


 人には向き不向きがあるのだ。



 じゃ、七階ーれっつらごー!


 七階に着いたら目玉が飛び交ってた、何あれー?ゲイザー?知らない名前!


(別名イービルアイとも言う。)

 

 それなら聞き覚えある、邪眼だっけ?状態異常のヤツだよね、気を付けないと!呪いだから!……ほ、ホーリーさんの出番です。


(何か……ごめん。)


「はいっ!はいっ!私行きます!」


 よしいってこーい!


 じゃあお座りして待とうか。


(ダンジョーン!)


 久し振りー!


 背後が目を開けられない程眩しくなった。


 やりやがったわー……


「きゅーちゃん!ブッパ終わりました!」


 半分残せって言われてるだろーがっ!!


「あっ……せ、先輩すいません。」


(もーええわ。)


 はいはい、八階行きましょうね!次は俺やるから!ブッパ禁止!


「はいー……」



 ぴーちゃんが妙にやる気あるんだけど、階段はまだ無理よ……


「ピーピ」おにぃのゆうしゃの、たたかいみて、もえてきた


 なっなんと、良い傾向ではないか!でも咥えて登りまーす。「ピ」たいらにしろ


(それもう階段じゃないから……)



 八階到着ー鑑定さん、ケルベロス……え。


「ミー」るるちゃなのー……


 お、俺がやるって言っちゃたよ、どうしよう、ルルさんに似てるやん!!


「おおー!本当ですね!ルルさんは頭二つでしたけど。」


「ピー?」しりあい?


 前の世界のお友達だったんだ……


「ピー……ピ!」そうなの……ならぴぃのでばん!みんなはみないで!


 止めてー!ここはスルーしよう!倒さないで行こう!


「ンミ」さんせいなのー


「そーですか?じゃスルーで」ペシッ


 感傷のかの字もねーな!!


「ピー」わかった、あれはそっとしとく


 ぴーちゃんのが分かってるじゃねーか!


「ふぇーすみませんー」



 

 はい、さっさと九階行きますよ……八階か覚えとこう……


 感傷に浸りつつ登る、ナツイの、やめてやー?トテトテーあ、居た。


 えー……え!こ、これは……


「ミィ?」どうしたの?おしりあい?


「ピ?」また?いかつい、いやなかおー


 ぴ、ぴーちゃん……あの顔が鶏だよ!


「ピッーーーー!」いやーーー!


 正確にはコカトリスだが、ダークな鶏だよ……胴体が蛇だからやたらドヤってやがるぜ!!


「ピーィ……」あれがぴぃのしょうらい……ぜつぼうした


 だから成長止めたんだよ、嫌だろ?


「ピッ!」おにぃにかんしゃ!!


 あいつ、確か石化してくるんだっけ?


(触るとね、魔法のがいいよー)


「ピィッ!ピッ!」ぴぃがやる!!あんなのいやー!!


 おう、超やる気になった、まぁそうだよね、俺本当にあの顔嫌なんだ……


「ミィ?ミ?」ぴぃがおおきくなると、あんなこわく、なるの??


 そうなんだよー体は違うけど、あの顔で毎朝コケコッコー!って毎日鳴くの、超五月蝿いの……毎日欠かさずするの、ドヤって。


「ンミーァ」まいにちおこされるの?いやなの、こわいの



 遠くでぴーちゃんの悲劇の悲鳴が聞こえた気がした。ねぇね好きだもんな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る