第72話 らしい事して帰る

 作者が省略して二十日が過ぎたので何時でも帰れる、ダンジョンはもう経験したし、ボスもやっつけた、なんか異世界らしい事初めてやった気分だよ。


 何か今のうちにしたい事ある人と匹!


「ンミ?」とくにないの


「ピ」かこうはやくしたい


「きゅーちゃん!私の選んだ宝石興味ないのっ!?」


 あん?お前が国宝級でも選んでたら消滅させんぞこら


「そっそんなの!選んでないです!」


 黙れ!数字馬鹿!ゼロ一個間違えるだけでとんでもねーぞ!


「ピイ」かんししてた、だいしょうぶ


 ナイスぴーちゃん!


「ほら、これです!これ!」


 箱をパカッっと開けるとオレンジの石。




 お揃いにするんじゃなかったの!?


「そ、それも考えたんですけど!きゅーちゃんの毛色と同じのコレがよくてー!」


 お、お揃いと言えばそうだが……ヨソウガイデース!


「ピイ」いくらいっても、これだった


 面倒かけました、ほんとすいません!


「へへー後は特にないです……副店長以外は……」


 そこはもう雑用の使命だろ……


 なら、帰ろうか、荷馬車がいい?相乗り?


「ンミー」にぃにとおなじ


「ピィ」らくがいい


「遅く着きたい……」


 満場一致で転移ー


「してないー!」


 お前、離れてるけど転移するよ?一人でできるもんね。


「やっやだ!!」ヒシッ!


 きゅきゅうくつぅー!転移ー!




((おかえりなさいボスー!!))


 おおー!元気だったか!


「ンミィー!」おひさなの!!


「ピ」ころがすなよ


「ふぁー……雑用に戻るです……」


 小屋に着いてヨーンとヘールストレームでわちゃわちゃ、ポンコツが撥ね飛ばされる。


「ううっ、これが運命ぃー!」



 ハッ!こ、この足音……そうだな?


((そうっす!!))


 皆!!整列よ!!


「え?な、何ですか?」


 恐怖がやってくるんだよ。


「ふふふふふふふっー!」ふ大杉。


 キィー 一斉にビックンー!


「騒がしいと思えばやはり帰りましたか。」


 あい、まむー!


「別に整列しなくてもよろしいです。」


 きゅ、休憩! 出来るかっ!


「さて、店長が気づく前にお話聞きますか、ワンコさん、結界お願いします。」


 あいさー!マドロンが入れないやつー!





 そうして何時間か費やし、一から十まで詳しくお話しました、欠片でも言い忘れてたら何が起こるか分からん……


「驚きましたね、そこまでの実力があるとは、まぁダンジョンが崩壊したのは残念ですね、もう少し稼ぎが欲しかったでしょう。」


 そうなんすよねー何があるか分からないから、億単位で稼いでおきたかった。


「おっ!億単位ですかっ!無理ですよ!」


「いいのでは?お金は幾らあってもいいものです、養ってる家族が居るのですから。」


 ですよねー、ポンコツは見通しが甘くて困りますよ本当に。


「でもーまた飼い犬ですよね?」


 だーってろ!!言ったろ!欲しいもの買ってあげられないでしょうがっ!!


「そっそうですねっ!!」


「変わりませんね立場。」


 チッ!マドロンさんが気づきおったわ。


「でしょうね、小屋が静かなのは不審ですから、一応寂しげにしてましたので慰めてからお尻を叩いて下さい。」


 はい!ケツぶっ飛ばします!


「駄目だよ!?女性は駄目!」



「きゅーちゃん!!お帰りお帰り!!寂しかったようー!」


 ギュウギュウ締め付けるので鳩尾にパンチ!苦しいわっ


「ぐぅっーー!懐かしい!」


 癖なの?癖出来たの!?


「みーちゃんも!ぴーちゃんも!」


 姉妹が素早くダッシュして逃げるがぴーちゃんが訓練ざぼってるのであっさり捕まる。


「ピッ!ピッ」おにぃ!助けて!


 どーしよう?手のひらより小さいヒヨコを握りつぶしそう……


「ンミッ!」ぴぃになにするのっ!


 電光石火で鳩尾にアタック!


「ぐおえぇぇっ!!」


 ポーンと放り出されたぴーちゃんを咥えてキャッチ!と思ったら勢いで口の中に!


 ブヘッと吐き出す、ぴーちゃんがすんごい睨んでるぅーごめんね?テヘペロ?


 くの字で倒れてピクピクしてるマドロンさんを放っておいてみーちゃんが駆け寄る。


「ンミンミ?」だいしょうぶ?けがない?


「ピー」たべられたいがいは


「……日常が戻りしたね。」





 暫くぴーちゃんに避けられながらヨーンと遊ぶ、動物と会えなかったし、やっぱ人間より遊べるのが最高っ


 ……動物と言えばテイマーという職業があったが会ったことないよね?ある意味動物冒険者に近い動物とちゃうの?


「んーそれは先輩に聞かないと解りません、今はまだ修復に忙しいみたいで……」


 パパっと出来ないとは嘆かわしい。


「万能ではないですよー?」


 お前見てれば分かるよ。


「そうですね……」


 ここのギルドは居心地悪いからな、あんまり行きたくないし、マイナーなのかもしれないな、ペットは居てもテイマーが居ない、謎


「ピッ」ぎるどいく


 えー?どうして?怒るの止めた?


「ピ、ピヒィ」おかねと、ほうせき、かこう、おこってる


 へい、やりますか、すいません。


 ポンコツーここの腕の良い鍛冶屋教えて貰ってこいー。


「あいあいさー!てんちょ


 副店長に。


「あ、あいさ……」



「腕の良い鍛冶屋で何をするんですか?」


「えと、宝石を買ったのでアクセサリーにしたいのです。」


「お土産はないんですね?」


 ギクーン!ほ、欲しかったの?


「あうあうきゅーちゃん……」


「冗談です、そうですね、良いランクで言ってしまえば、王御用達の鍛冶屋が有りますが、依頼料がお高いですね。」


 ちなみにどんくらい?


「どれくらいなんですか?」


「そうですね、物にもよりますが、アクセサリーですよね、一品で三千万でしょうか。」


 たっ高っ!!ぼったくり!


「ぼったくり?」


「まぁそうですね、王御用達のブランド料も入っていますから。」


 ぬんーそっちか……二個で六千万!?


「因みにお勧めはしませんよ?御用達と言っても腕が一番とは限りません。」


 なんでやねんー!


「えと、腕の良い方がいいと思います。」


「そうですね、それでしたら紹介状が必要なのですが、私が書きましょう。」


「はーい、お願いします」


 やっぱりドワーフとか?


 ん?そう言えばこの世界でエルフとかケモミミとか見てない?


「あ、そうですね?見かけませんね?」


「……何がでしょう?」


「っ!ええと、あのエルフとか?獣人とか、ドワーフとか?見かけないなって?」


「……なんですか、それは?」


 おう、居ない世界だった!


「ほえーやっぱり違うんですねー」


「ワンコさんと話すならそちらでどうぞ?」


「は、はいー」


 



 まあ、居たからどうなのって話だけど、そっか人間しか居ないのか。


 通りで戦争が多いとか言ってた訳だ、人間様は腐ってますからのぅ。


「でも私の世界も有りましたよ?」


 あれは魔族が居たからだろ?そんなのが居るのに人間同士が潰し合うとかないんじゃね?そんなことしてる間に魔族に天下取られるわ。


「ほうほう、成る程ー」


 最早他人事ですか?


「ど、どうなんでしょう……私人間と仲良かったの千代さん位だったから、世界に執着はなかったと思います。」


 さすがマニュアル神様ー!


「褒められてないです!オートマです!」


 アクセル踏んでない感じの世界だもんな。


「ピィー……」おにぃ……


 は!はい!?何ですか天才ヒヨコさん!


「ピピ?」いついくの、おそろい?


 あーそれね、何か腕の良い人は紹介状ないと駄目なんだって、もう少し待って??


「ピッ」チッ


 舌打ちしてトットットッと去っていく、本当にいいのか……考えろ俺!


「もう戻れない気がします。」


 言うなやー!!

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