第70話 きゅーちゃんめておなのー

 あれから冒険者をかき集めてオーク退治に出向いたと情報が、参加が少ないらしい、しょうがないよねー、神様のせいですぅ


「な、何とも言えないですぅ」


「ピ?」ぶたやればほうせき?


「ンミ?」いかないの?ほうせき?


 ちょっ、みーちゃんまで宝石言い出したよ!駄目です!オークだけはにぃに許さん。


「何でですか?そんなに強いのですか?」


 普通の冒険者にはそうかもしれんが、ダンジョンで会ったでしょ?ポンコツは。


「二本足の大きい豚ですよね?」


 そうだ、アノとき言ったよね、女が好きでしょうがない変態だって!


「ヘッヘンタイ!!大変!!」


「ンミィ」へんたいはもうやなのー


「ピピ」へんたいならしかたがない


 そうなの、だからにぃにの命令です!王命が下っても行くのは俺だけでいいの!


「ンミイ」しんぱいなの


「ピー」ざんねん、ほうせき


 ちょっとはブレようよーぴーちゃん!


 ぴーちゃんが左右にササッと動く、うん、少しはブレたかな……



 こんな状態なので気軽に出歩くのも嫌だしなー?早く十日過ぎないかな?魔法とか?


「お父様なら出来ると思います!」


 宇宙レベルの話してねーよ?


「ミィ」ろてん、かいだめ?


 あんまり減ってないけどそうする?


「ピッ!」おかねは!ほうせき!


 ……へーい。


「ンミ?」ぴぃはどんなのがいいのー?


「ピ、ピピィ」うんー、やっぱりねぇねとおそろいがいい、あおのいし


 急にデレたで!ギャップ狙いか!


「ンミンミ」おそろいおそろいー


 みーちゃんが照れてくねくね、ほっこり。


「うー私もお揃い欲しいですー」


 分かってるよ、青い服買えばいいんだろ。


「何か違う気がします……」



 宿でダラダラする事二日、ドアがドンドン叩かれる、うむー来たか。


「ミッ?」いくの?


「ピ」ほうせきがんば


「私は行くんですか?」


 連れてくよ?通訳居ないじゃん?


「うー!変態ー!我慢……」



 ポンコツがドアを開けるとやっぱギルド職員だった。


「申し訳ありません、王命が下りましたので参加願います!」


 はぁー俺だって変態見たく無いんだよ?


「ピピ」いいさくせんある


 おー!なんだい?


「ピッ!」まほうぶっぱ!


 作戦それしかなくね?


「ピ」まだヒヨコだから


 都合いいな!!


「きゅーちゃん支度出来ました。」


 おう、行くかーブッパで。


「先輩に怒られそう……」


 ちげーな、廻りに廻って自業自得なんだよ、分かってないねー?


「な、成る程!」


 無理矢理分かったフリすんなよ?


「ですよねー?」



「あの……そろそろいいですか?」


 独り言の時間は終わった、行こう。


 いいね?ぜーったい!来たら駄目!


「ミゥ」ぜったいはまもるの


「ピ」いわれなくてもいかない



 よしよし、一匹がだらけまくってるけど何かもうそんな感じに育つんだろうなって未来予想図が見えるよ……


 宿の前に相乗り馬車が停まっている、馬車かー?時間掛かりそうじゃん?以外と余裕があんのかね?


「馬車以外ないですよー?」


 知ってるけど転移するわけにもいかんし?


「ですですー」



「あのー早く乗って下さい……」


 ひょいとジャンプで乗り込む、ポンコツも乗ってれっつらごー!


「……な、なんか見覚えがあるような?」


「奇遇だな、俺もある気がする……」


 何ですか?ポンコツをナンパですか?宇宙レベルで難解ですけど?


「そこまで?」


「あっ!その独り言と……犬!見たっ」


「ハッ!犬!?」


 ん?知り合いだった?


「知りませんー」


「「ぶっ飛ばしただろ!!」」



 ……あーあれかすっかり、テヘペロ。


「あれ?なんでしたっけ?」


「なっなんであれだけの事忘れるんだ」


「すんごいぶっとばされて記憶が……」


 強盗か


「強盗ですか?」


「「ちげーよっ!!」」


 双子かよ!!


「ゴブリン!やった後犬と猫にぶっ飛ばされたんだ!」


「あ、そうだ、お前を探してたら……いつのまにかぶっ飛んでた。」


「あーあれはそっちが悪いんですよ?」


「何でっ!?」


「あのゴブさんは、きゅーちゃんのお友達だったんです!それを目の前で殺ってしまったんですー!」


「「お友達!?」」


 違うんだけど、その設定覚えてたんだ?


「え?違うの?友達じゃなかった?」


 フルフル、設定だよ、横取りされた。


「成る程ー横取りは駄目ですー」

 

「……横取りって、俺達が追ってたんだけど!?」


「状況がわからん……」


 はぁ?早いもん勝ちだろ?たかがゴブリンを一匹逃がした癖にさわぐんじゃねーよ!


「と、言ってますー」


「「ぐぅっ!!」」


「なんだよマジで犬なの?化けてンの?」


「変身なんてあったか?」


「有るような無いような?」


 有るんだな。


 つーか、こいつら実力あんのか?今頃強制参加して。


「らしいです。」


「「おっお前にやられて寝込んでた!」」


 おー!見事なシンクロ!



 そーいや地図の場所から此処までどんくらい掛かるのよ?ポンコツぅ


「そーですねー馬車は予想できないですけど、二日ですかね?」


 うーむ、結構あるな。


 暇だし毛布出して寝よう……


「あっいいなー私も寝ますー」



「も、文句が言えない……」


「緊張感まるでないな……」




 んな感じで着いたんだけと、全然じゃん、何で今頃?王命?


「と言っています。」


「一応調査もしないといけないので、後は冒険者が離れていて中々うまく揃わなかったんです、希に虚言を言って混乱させる輩が居るので仕方ないんです。」


 虚言……ポンコツだもんなー


「ひどいー……」


 集められた場所には負傷した冒険者が多数居るので、ポンコツはここでヒールブッパしとけ、俺は豚にブッパするから、前線の冒険者に下がってって言って。


「あいあいさー!」


「と、いう訳で下がって欲しいです」


「ブッパってなんだ?戻せない、流れ込んで来るぞ!」


 お前指揮官?


「指揮官さんですか?」


「そうだけど、文句が?」


 大有りよ、ダンジョンの崩壊誰がやったと思ってンだ?俺って事にしとけ。


「ダンジョンの崩壊はきゅーちゃんがやったので、巻き込まれると大変ー、らしいです。」


「……え?」


「それってボスを倒したアレか?」「凄い魔法だった……」「あれを此処で?マジか」「犬が?」「ほんとならやばい」ザワザワ


 もう、モタモタすんなよ、やっちゃうよ?


「えと、モタモタするな、やるよ?」


「!たっ退避!!伝えろ!全員退避!」



 前線の近くに結界を張っておく、豚が近づけない様に。


「結界張りました、避難してくださいー」


「退避ー!!逃げてー!」


 逃げ惑う冒険者の隙間を縫って前線に、後ろには結界、俺初メテオなんだけど、大丈夫かなー?まぁいいか?


 豚がブヒブヒいいながら突進してくる、ヒョイヒョイ交わして、ぐるぐる挑発して中心に纏めるようにする。


 豚は単純でいい、操りやすいわ。


 豚同士が混乱してぶつかり合うのを見てサッと下がる、そしておらにポーズ!


 ブッパすんぜ!め て お!!



 ヒューと聞こえる音、そして降り注ぐ隕石、ドーンドーンって五月蝿いですぅ!結界して轟音を防ぐ、豚の群れが押し潰され焼かれる、焼き付くしても止まらないメテオ……


 やっちった?


 三分程でやっと止まった、クレーターの山が出来た、やったね!金が掘れるかも!!


 結界を解いてトテトテ戻る、冒険者達が呆然としている、へへっやっちまった。


「きゅーちゃん!無事ですか!」


 おう、ヒールブッパしたか?


「はいー!ブッパしたら皆全快ですぅ!」


 よしよし、良くやった。


「わーい!誉められた!!」



「夢かな?」「意外と綺麗だった」「そいうい問題?」「なんだアレ……あり得ない」「犬の可能性が凄い」「退避してなかったらああなってたのか」



 おいー指揮官さんよーこれでいいか?


「指揮官さんー……指揮官さん?」


 ボーっとしやがって!膝にパンチ!


「ぐおおお!!」


「あ、聞いてます?これでいいのかってきゅーちゃんが。」


「アグゥーい、いいです……くぅっ」


 じゃ帰ろうかー


「帰りましょうー」



 それ以降、その光景を見た冒険者達が俺を犬賢者と呼び始めた、いぬけんじゃ?けんけんじゃ?どうでもいいか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る