第32話 説明書は隅々まで読もう

 ピカピカのランプ生活は一ヶ月続いた、姉妹が近寄ってくれなかったのは寂しかったが、とうとう光が消えたどー!!


 蘇生能力アップ!……どれくらいですかね?蘇生して突っついたら死んじゃうレベルじゃないよね?鑑定しても蘇生、としか出ないんだけどこのポンコツぷりどう思うよ?


(んー能力数値が体感でしかわからないのは致命的だよねー?何でそんなのにしたのかあたしからしたら意味不明?)


(うーだってそういう仕様なんですぅ!)


 なんですぅじゃねーよ!直せないのかよ!ポンコツが!


(出来ないです!権限が初代にロックされてるんでやりたくても出来ないのです!)


(あんたさー初代見つけに探したら?流石にこれはナイと思うんだよねー。)


 あれ?そういや能力アップの時初代に会ったって言ってたよな!?


(はい!アップの仕方だけ教わりました!)


 救いは何処に?


(もう……はよ、いけ!姉妹の為に!)


 そうしろよ?宇宙の旅に出て行けよ?


(なんでですか二人ともー先輩だって他の神見つけるの大変なの知ってるじゃないですか!何年掛かるか分かりませんし?私ここ離れたら危険なのもご存知でしょ!)


(むーん、そうなんだよね……やっぱりお父様に聞いた方がいいんじゃない?)


(お父様に……我が儘言ってしまったから許してくれますかね?)


 そんなもんやってみないと分かんないだろ!はよ行ってこいや!


(賛成ー!)


(はぁんーーー!)


 そんな言い合いしてたら、ピカピカが終わったのを見たみーちゃんとぴーちゃんがダッシュでくっついてきたー!ううっ!にぃに寂しかったよ!抱っこしてコロコロきゃきゃ聞いて泣きそうですぅ!


(ほらー流石にあたしも哀れだと思うよ?勇気出して行ってきなよ?駄目なら駄目で諦めるでしょ?犬もさー?)


 そー言うことー!ヨーンも加わって皆でコロコロきゃー!きゃー!


 子犬とも呼べなくなってきた犬はコロコロ出来ない様だ周りを走り回っている。


(……そ、そうですね、分かりました!行ってきます!)


(おー頑張ってねー)てらー


(……応援が軽い……)




 お父様は常に全宇宙の中心にいらっしゃいます、助言を求める列が成してるのも何時もの事ですが、早く帰りたいです……。





「あれ?ねー!みんな!きゅーちゃん光ってないよー!」


 ぬう!マドロンさんが折角の触れあいを邪魔しに来たよ!


「店長、良く見てください、感動の触れあいなんですから、邪魔しない、また膝でもやられますよ?」


「えっ!やだー!」


 ナイス店員さん!このまま夜まで皆で団子しようー!


「ンミ!ンミ!」にぃにー!にぃにー!


「ピッピッ?」おにぃ?もうぴかぴかしないの?つまんない。


 ぴーちゃんがドライで寂しいよ……




 列が進む度に不安になります、私は無理に我が儘を言ったのです、これ以上迷惑を掛けてもいいんでしょうか?でも何もしないで帰ると先輩ときゅーちゃんが恐ろしいので帰れません!長い列が中盤に差し掛かったとき


「あれ?ミネルバ、どうしたの?サボりのあんたがお父様に何用?」


「……そ、そんな風に思われてたんですか!?三代目ー!」


「……だって事実じゃん、マニュアルしか使わないって聞こえて来てたよ?」


「え!?三代目はマニュアル以上の事したんですか?」


「そらするでしょ?あーあんたあの世界が初めてだったからそれしか動かなかった訳?」


「うえっ!……ふ、ふつうはそれ以外もするのが当たり前的な??」


「……まぁ大体の神はそうでしょ?」


 がーんっ!私って……本当のポンコツだったんですね……


「……あー今頃悩んで相談?って事?」


「は、はい……今頃です……」


「ちょ、そこまで落ち込まないでよ?苛めてるみたいじゃない。」


「っ!あ、あの!三代目はあの世界の能力ってどう対処してました?私それを相談にお父様に会いに来たんです。」


「対処ってどういう意味で?」


「えと、愛し子に言われるんです、能力があやふやなのがポンコツだって、数値的なものがないから解りにくいと……」


「えー?今頃そこ?見習いでも流石に遅くない?マニュアル読んだんだよね?」


「え?ええ、なので……ま、マニュアル通りしか動かないポンコツって……」


「うわ、キツイ子だったんだ?愛し子」


「で、ても聞いてるとその通りじゃないてすか?噂にもなってたんですよね……」


「……あ、まぁ否定は出来ないの……かな?あはは、あー数値だっけ?あれ変更出来るでしょ?マニュアルに丁寧に書いてあったよ?」


「え?」


「……え?」


「カイテアリマシタ?」


「アリマスネ……」


「い、いや!初代がロック掛けてました!」


「そのロックの解除キーも書いてあったんだけど、本当に全部読んだ?他の神の侵入防止策だよ?イタズラする馬鹿がいるから、初代がかなり丁寧に書いてたのに、何で今更?」


 …………ど、どうして!ちゃんと全部読んだのに!!


「……あっ!やっぱ全部「隅々」まで読んでないでしょ!一番最後に重要ってページあったはずだし!そこが一番重要なのマジで」


 ……えー!?読んだよね?私読んだはず!隅々までは……自信がないかも?あれ?読んでないかもーーーーっ!


「ちょ、マジで?やらかしたな?」


「えっ!?そそそそんなことっ」


「ちょ!お父様にバレる前にマニュアルっ!マジ全部隅々まで読んできなって!ヤバイよバレたら!ペナルティーされるよっ!」


 ぎゃーー!!!!


 猛ダッシュで以前の管理世界ヴィデーンへ!今は他の見習い神が居るはず!読ませてくれるかどうか!!そしてー!バレたらまずいですぅー!!



 到着した以前の世界は、随分と変わっていました……なんだろう充実してる感?これが本来の姿!?




「変わった気配だと思ったら神ですか、イタズラに来たんですか?お父様に報告しますよ?」


 がーん!まずいです!


「あうの、私およ、み、ミネルバと言います!ああえの以前のあの管理していた神で!」


「噛みすぎですよ……ミネルバさんって四代目の?」


「ひゃい!そうでう!!」


「あーはい、成る程……適当に管理してたミネルバさん、ですか。」


 ぐぅの音も出ないっ!!


「はっはは、そんな感じで、あの反省してるんです、今はその……ポンコツだなってははははははっ!」


「笑いながら泣かないで貰えます?怖いんですけど……」


「ひーん!!ごめんなさいー!!押し付けたり適当だったりポンコツだったり馬鹿たったり愛し子のきゅーちゃんが全部合ってたんです!私ってほんとうに、ばかでぽん


「すとっーーぷ!!」


「はぁはぁはぁはぁはぁ」


「……落ち着いて下さい……いいですか?確かに管理は適当にでしたけど、引き受ける点では楽に世界を変えれたので、そこまで責めなくてもいいと思いますよ?出来すぎた世界は手の出しようがないので……」


「褒められてはないけど……よ、良かったなら良かった……んですか?」


「よ、良かったです、はい。」


 ぶわっ!と涙が溢れます……今までの過去を思い出すと千代さんやきゅーちゃんには本当に不便かけてた本物の馬鹿ですぅ!!


「よ、四代目さんー!落ち着いて!!」




 暫くして落ち着きました、相手も見習いなのに凄くしっかりしています、羨ましいです!それより重大な事を頼まなければ……


「あ、あのですね?私ここに来たの理由があって、ですね……」


「あ、はい。もしかしてマニュアル見に来ました?」


「!何で分かるんですかっ!」


「おっ落ち着いて!それは、ほらあの、この世界を持ち受けて管理して、そしたらもしかして全部読んでないのかな?って思ったんですよね……」


 ズバリじゃないですか!!ヤバイですー!お父様にペナルティー!!


「あのですね?私別にお父様に言おうとか無いんです、本当に、やりやすい世界でほっとしましたし、ある意味助かったとも言えるので。」


「え……そ、そうなんですか?」


「正直以前の世界は完結してるような世界で何もする事なかったんです、それでまだ未発達の世界を任されると聞いた時不安だったんです、でも初代が丁寧にマニュアル書いてたし、凄く遣り甲斐があって、今は凄く楽しいんです、本当に、こればかりは感謝してるんです。」


 ……喜んでいいのか泣けばいいのか分かりませんが、私のポンコツも役に立ったのですね、なんて言うときゅーちゃんに馬鹿にされる!って本物の馬鹿でした……


「これ、マニュアルです、今度はちゃんと読んでくださいね?」ニッコリ


 ……恐っ!


「確か愛し子に文句言われてどっか行っちゃったんですよね?二度と無い様に監視しますから、ちゃんと読むまで安心シテクダサイ」


 ……デキソウニ無いです、頑張りますぅ

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