第27話 色々詰め合わせ

 何と……悲しいお知らせである。


 マドロンさんと店員さん達の意見が一致、ついにココに犬が来ることになってしまった!俺の犬の天下がぁー!


「でもあれですよね、きゅーちゃん程可愛い犬って居ませんよね?」


「まぁ、確かに、でも専門店としてはヨーンだけって言うのもねぇ?」


「そうですね、でもカットの可能性が広がった今がチャンスですよー!」


「マドロン店長、空間持ちじゃない犬でもいいんじゃないですか?ただの愛玩としてのペットも今ブームですよ?」


「うーん……そこは悩むよね?買い出しで今のところ困った事ないしね、普通の犬とか猫でもいいかもね?」


「ミッ!?」ふつうっ?


 せや、俺達の人気の脅威がやって来るんや、時は戦国ーペット戦争じゃ!


「ピ?」あたちは?


 と、鳥は来ないと思うよ?だから、ぴーちゃんの天下だね?


「ピピッ!」てんかとういつ!


 だから誰だよ!物騒な言葉教えてンの!


(お前だろっ!)


 天下統一なんて言ったかな??


(勇者が戦いを放棄した……)


 な、なんだってー!!


 って言えば満足?


(イヤミはやめろい!ペットに目覚めた!とか女の勇者が!なんかパラダイス作るのって張り切ってて?男もじゃあ一緒にやろうか?なんてっ!なにそれ?)


 まぁ、お前がアレルギー取ったのが一番の原因なんだけどな?


(うっ!そんな大事だったなんてぇ!)


 はんっ!俺の忠告無視するのが悪いわ!


(くっ、悔しい反論できないー!)


「じゃあ、ちょとブリーダーさんとこ行ってみるよ、良い子が居れば即効お持ち帰りするかも?はははっ」


 まっマドロンー!裏切り者ー!!


(つーかさ、安心していいよ、あんた位のレベル普通居ないから?)


 え?そ、そう?


(でもまぁ突然変異とか?は、何かは?あたしの範囲外だから?)


 上げて落とすなよ!……突然変異?異世界の?厳つい顔が突然変異で可愛くなるの?逆にこわいんですけど?


(良い得て妙だな、あり得る方が怖い。)


「あ、店長!きゅーちゃん連れてかないと、縄張りあるでしょう?犬は」


 特にないけど?え?行くの?


「あ、そうだった、ごめーん、きゅーちゃんがここのボスだもんね、ごめんね?」


 リードをイソイソ着けて言われるけど……ボス?まぁそんな感じだけど、決定的なボスでもないんだよなー。


「ンミー!」「ピー!」いっしょー!


 ヒシッと抱きついてくる、でも会うのは犬だよ?怖くない?ほらあの厳ついした顔の集まりだよ?俺は嫌なんてすけど!


「あらら?やっぱりそうなる?」


「ちょっと危険かもしれないですね、店員一人連れてって下さい。」


「おっけー、じゃ兄妹で行きますか!」


 えー?止めてよ!か弱い妹に何見せるんだよっ!突進するが交わされたっ!ナンダトッ


「ふっ、何時までもきゅーちゃんにヤられっぱなしはないよ!」


 後ろからみーちゃんが膝関節にキック、崩れ落ちるマドロンさん、はっ!油断したな!


「てんちょー……」


「ハウッ!膝がっ!!」バタンッ




 然り気無くぴーちゃんもツツイテいるけど、効果は無いようだ、そう言えばぴーちゃんの能力?魔法?上げてなくない?


(え?あたし?あげるつもり無いよ?)


 何でだよ!だだのか弱いヒヨコじゃねーか!!どーすんだよ!


(いや、ほらあんた達、世界移動するんでしょ?あたしがあげるとややこしくなんの、ポンコツに任せたんだけど?)


 えっ!ま、まさか……鑑定!


名前 ぴーちゃん

種族 鳥

性別 雌

能力 全鑑定 全魔法 転移 空間庫……


 あんのやろ!またさぼって丸写ししやがった!!てめぇ!どういう教育してんだよ!


(ええ?ま、丸写しでも能力バッチリじゃん?いいじゃん……?)


 俺とみーちゃんが百年掛かってやっと使い物になったんだぞ!どんだけポンコツかわかるか!?いいよねっこの世界はっ!チートがチートの仕事しててよぉー!


(な、なんかごめん?でもあたしの使う訳にはいかないんだよ、移動するときその、ヒヨコ?ここに置いていかないとダメになるよ?)


 ハッ!バランスブレイカー?!


(そうそう、そうなるからさ。)


「ミッミ!」みぃのいもうとなの!おいてかないの!


 みーちゃん……って欠片はお前のだろ?


(はぁ、そこね、欠片は変化出来るのよ、今ヒヨコはあたしの欠片じゃないの、ポンコツのなの、譲渡ができるんだよね)


 ちょっまって……それって反対も出来たの?俺とみーちゃんがお前の欠片になって魔法チートの可能性があったの!?


(ま、まあ、あったかな?)


 うええっ!はよ言えや!!ズルい!


(落ち着けって、例えあたしの欠片にしたらあんた達を外には出せなくなるの、あたしは見習いじゃないから、ミネルバみたいにほいほい別の星には行けないの)


 あー……ふ、複雑ぅ!!


(言われてる私が一番複雑ですぅ!ううっ)


(あ……)あ……


 ま、まあポンコツで我慢するとして……ぴーちゃんがマトモに能力使うのに百年か、俺達を生きてるかね?


「ンミィー」わかんないの……






「うぐっ!みーちゃん!何故……!」


(あ、少し時間止めてた、再開どうぞ?)


 ああ、膝ね、何となくだよね?


「ンミ」なんとなくー


「適当な空気を感じたのでじゃれたんでしょ?店長使えないから、店員二名で見学行ってきて?今日は見るだけでいいから。」


「「はーい」」


「しどぃ……」


 えー?結局行くの……リードを大人しくつけられる、伏せるとみーちゃんが背中に張り付く、ぴーちゃんがトットッと頭まで昇る。


「……何て言うか、そーきたかって感じ?」


 どっかの音楽隊ですぅー。

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