第21話 妹二号
なんの話だったっけ?AI?
(ちげーよ!暴走するからやめて!)
(きゅーちゃんのお嫁さん候補の話です)
そもそも候補なんていいよ、俺自分で決めるし?みーちゃんの意見はなるべく取り入れようと思ってますけど?
そもそもよ?恋愛の話とかさー神様の世界はどうなの?
((えっ))
(そ、そりゃ神様だってそういった感情はあるよ?気になる人とか……)
(え!先輩!気になる人って誰ですかっ!)
(はっなんであんたに教えなきゃいけないのー?後輩なんだからあんたの話してよ!)
(うえっわっ私はー……
女は五月蝿くて敵わんわー恋愛話振ってやりゃワイワイ勝手に花咲かせるからな。
「ンミーッ」にぃにかみさまあやつるのっ
はんっ神様とて所詮女よ、楽勝。
まぁ、俺も恋愛してみたいかなーとは思ってるよ?犬の本能強くなってるからね?でもみーちゃんにはまだ早いっ!にぃに許しません!
ヨーンが遊ぼうと誘ってくるので遊んできますぅー。
夜の開放時間には露天の人達とか、俺の噂を聞いた人もくる様になった、俺愛想振り撒くの大忙し、みーちゃんも人気だが今は俺に集中している、あっ!みーちゃんに近づくブサが!何をしおるのだっ!飛び蹴りして遠ざける。
お客さんがおお!っと拍手、お礼のお願い攻撃てオヤツゲット!みーちゃんもほらあんなブサに近づかれるなんて油断したらメッよ?
「ンミッミ」ごめんなさいーひとがおおいの
さよか、俺のせいだな、作戦変更!
ヨーンども!集合!
ワラワラ集まるヨーンにみーちゃんを埋める、おいあのブサを近づけるなよ!
あいあいさー!!よいお返事です。
蹴り飛ばしたブサが俺の方に来る、なんやおかわりか?次は倍だぞ。
「お犬様!何故ですかっ!俺には動物を愛でる権利もないんですかっ!」
別に?みーちゃん意外ならいいぞ?一匹のヨーンを咥えて連れてくる、さぁどうぞ?
「!あざっす!」とヨーンを手に取ろうとしたらヨーンがニゲタ、みーちゃんを守るヨーンの集いに戻っていく、そんなブサの姿を憐れみの目で見つめる俺。
「だ、誰かっ!俺に癒しをぉっ!!」
しょうがねーなー?少しなら触らせてもいいけど?と見てみる。
ハッとしたブサが目を潤めながら手を伸ばす、と、ヨーンの中から飛び出したみーちゃんが弾丸の如くブサにキック!!
ドーンと飛んでいくブサを俺は見ないようにして、みーちゃんをペロペロして誉める。
暫くピクピクしたのち、ヨロヨロと立ち上がりなりふり構わず泣いて出ていった。
誰もその姿に同情しないので俺が代わりに少しだけ同情しておく。
アイツにはハーレムよりブサを愛してくれる稀有な一人が居ればいいんだよ、いつか理解する時がくるさ……。
閉店時間になって店員さん達が皆帰る、マドロンさんは今日はここで寝ない様なので、みーちゃんと能力上げの特訓だ、今日は何を特訓しようかな?みーちゃん希望ある?
「ンミミーィ」いもうとがほしいのー
どっどういうこと!?
アレ?俺があの妹代わりの犬を嫁作って産んで貰うとか、そんなんですかっ!
「ンミ?ミーミ」ちがうのーほしいこがいるのーみぃしってるのー
何をしってるのー?にぃにに教えて?
「ンミッ」いっしょいくのー!
と言いながらテチテチ走っていく、て!いつの間に妹候補なんて見つけたんー!
しばらく人に見られない様に走ると教会に着いた……え?ここにいるの?
「ンミー」いるのーみぃのいもうとー
ちょ、にぃに、心の準備させて?せめて説明して?お願いします……
「ミゥミゥミー」ゆうしゃとあったとき、そとけったの、そしたらいたのー
勇者はもれなく三人全員蹴り上げたけど、そんなん居たの?なんで分かったの?
「ンミッ?」みぃ、たんちあげてるの、そしたらなんかいたの?
たんち、探知能力?俺もある程度上げてるけど気が付かなかった、妹候補なら弱った子なんすかね?早く気が付いてあげれば良かった。
「ミッミー」よわってないの?のら?なの
……野良を拾ってはいけません!と叱るべきか、人間じゃないしな?どんな子でしょ。
「ミー」こっちなのー
みーちゃんに付いて行きながら、もしかしてルルさん的なのだったらどうしよう、と考えるのであった……
着いた場所は協会の奥まった雑草が生えている狭い場所、俺も探知で探してみる……あ、居た、何か居る。でもみーちゃんが言うように元気な感じではないぞ?
「ミッ!」よわってるのー!たいへんなの
せやな、何かあったんだろう、野良だからなー何があってもおかしくはない。
二匹で探知場所に近づくとピーピー鳴いてる、あれ?コレ鳥じゃない?
黄色のどこからどうみてもヒヨコだった。
いやいや、ヒヨコが野良で今まで生きてたのっ!凄くないっ!?
「ンミッンミッ」なかないのーいっしょかえるのーげんきになるのー!ひーる!
ピーピー鳴いて蹲ってたひよこがポワポワ光る、初期の回復魔法だ、恐らくこの程度なら、初期のヒールで治るだろう、俺はみーちゃんの為にガンガン上げてたので死んでなければ回復出来る位にはなったが、こういうのを見るとやっぱり、蘇生魔法も上げたい……実験台がいないので上げるに上げれないのだ。
ポワポワしていた光が弱まる、収まったら治った証拠だ、みーちゃん鳥さんを妹にしたいの?
「ンミー?」しゅぞくがちがってもにぃにとみぃはきょうだいなの?
あ、そうですね、すいません……。
ふわふわの黄色の塊がモゾモゾ動く、顔を上げてみーちゃんを見るとピーピー鳴いた、有り難うと言っている、もしかして初対面じゃないの?
「ミーぃ」なんかいか、てんいで、ようすみてたの
ブホッ!き、気がつかなかった!ヤベェー!飼い犬を満喫し過ぎて油断してたっ!
「ンミ?ンミーミ」のらはつらいの、みぃのいもうとになるの?にぃにがまもってくれるの
ひ、ヒヨコか……すぐに大きくなって鶏になってコケコッコってマドロンさんの迷惑になりそうな予感しかしない、どうしよう?
(仕方ないなー助けて上げよう!)
もう助けてますけど?
(……そういう意味じゃない!てかこの世界には見なれない子なんだよね?でもしってるんでしょ?コレ)
紛れもなくヒヨコですね、鑑定したし。
(って事は召喚の時に紛れてしまった子って事、もしかしたらペア勇者が来たとき付いてきたのかも?)
つーか召喚から結構時間経過してるし、ヒヨコはそんなにタフな生き物ではないはず。
(そこだよね、だって欠片入ってるもん、みーちゃんと同じだね)
え、じゃあこのヒヨコ神子なの?
(そー、でも一応死んで欲しくはないので引き取るなら、ヒヨコのまま成長しないようにするけど、どうする?にわ、ナンとかは駄目なんでしょ?)
そーなんだよメッチャ五月蝿いねん、差別?いや事実だ、あいつらが今お前らの生活圏で生活し始めたらどうなると思うよ?匂いと毎朝コケコッコーってな!本能なのは分かるよ、でもね!ご近所迷惑でしょうが!!
(……さよか、じゃあ加護付けて……成長ストっプ……と……よし大丈夫!)
みーちゃんが俺を見ている……みーちゃんは俺が拾った神子だしな、しょうがないよね、ほっとけないか、いいよ、妹二号だね?
ピョンピョン跳ねてありがとーにぃにー!って可愛いー!ヒヨコが真似してポンポン飛んでありがとおにぃー!と真似する。
中々可愛いじゃないかっ!
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