煽り運転する人は大体……

 私は、周りよりちょっと遅めの二十六歳の冬に運転免許を取得しました。自動車学校は自分より若い子達ばかり。卒業を控えた可愛い女子高校生や、ピチピチの可愛い女子大学生と仲良くなったりして、鼻の下を伸ばしっぱなしの一ヶ月でした。


 おじさん先生に毎朝ジュースやお菓子をもらったり、農家の青年に口説かれたり、イケメン先生と結婚観(当時は私はまだ独身)について語り合ったのもいい思い出です。



 免許を取ってからは通勤は車で、ほぼ毎日運転していたこともあってか、運転大好き人間になりました。あ、でも下手ですけど。


 そんな中、ニュースでもよくある煽り運転。普通にあるんですよね。初心者マークのときは特に多かった気がします。


 初心者マークが外れてからは何故かグッと減りました。何でしょうこの、弱いものいじめ感。


 煽るくらい急ぐなら時間に余裕を持って動けばいいじゃないか。と考えるほうなので、煽り運転するやつの気が知れないとずっと思っていました。



 そんなある日、私は田んぼばかりの田舎道を車で走っていました。休みの日の遠出でしたので、まったく通ったこともない道です。


 そのとき、不意に私を襲ったのです。尿意が。トイレ行きたい、でも田舎道はしばらく続いています。


 走ってればコンビニはあるでしょ、と、そのときはまだ少し気持ちに余裕がありました。


 しかし、走っても走ってもコンビニどころかお店らしきものさえ見えません。その間も尿意は増すばかり。


 そして前の車は、法定速度以下のスピードで走っています。


 そのとき、気付いたのです。なるほど、煽り運転するやつは大体、我慢できない尿意や便意に襲われているのだと。そう考えると今まで私を煽ってきたら奴等に優しくなれるような気がしました。


 もちろん私はたとえ尿意に襲われていようとも煽るなんて行為は致しません。煽るほどの余裕は私の運転にはありません。余裕があっても自分がされたら嫌なのでしません。


 その後、私は無事漏らすこともなくトイレに辿り着きました。




 今度煽られたら、後ろの車の方はきっと漏れそうなんだと考え、すみやかに道を譲る優しさを持とうと思いました。

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