武士がいる

食欲が無い

「何故その食事量で活動できておるのかさっぱりわからん。疾く医者にかかられよ」

　と、武士にそう言われたので病院に行ってきました。いや、なんでか知らないんですけどね、最近全然ご飯が胃に入らないし体重もちょっと減ったんですよ。それ以外は、むしろ元気なぐらいだったんですが。

　そんで病院に行ってきた結果。

「胆のうに石が転がってる以外は健康ですね。ウイルス性胃腸炎の後遺症で食欲無いだけですよ、多分」

　え、ウイルス性胃腸炎に後遺症とかあんの！！！！？？？

　つーか待って！！！！　石！！！！！！？？？？？

　石はそんなに大したことないらしいです。悪さしないならその辺に転がしとけってノリらしいです。

　いやしかし、ただでさえ武士を家で転がしてるってのに、なんで私は石まで体内で飼わなきゃならないんだ。どいつもコイツも私にタダ乗りしてきやがって。金取るぞ。

「まあ、石持ちは金持ちって言うし」

　生まれて初めて、お医者さんに対して「やかましわ」って思いました。聞いたことねぇですわよ、そんな格言。

　とにかく異常は無いらしいです。良かった良かった。

　いや何も良くねぇわ。引き続き食えねぇんだわ。

「難儀なことであるな！」

　そして目の前には、もりもりとシチューを食らう武士である。本日検査費やら何やらで三千円かかった私としては、コイツの健康に非常に羨ましい気持ちを抱いているのであった。

　つーか江戸に帰れや。でなきゃ家賃を入れてくれ。