幸せを知らない軍人がたどり着いたのは、幸せに満ち溢れた鳥かごの楽園だった。
黒鷹将軍ラオイン・サイード・ホークショウ
彼は戦いに明け暮れ、戦争の最中数々の功績をあげたが、最後には国王陛下に裏切られ、重傷を負った。失意のうちに殺されるはずが、青い光につつまれ、気がつけば美しい花の咲き誇る楽園にいた。
彼を助けてくれたのは綺麗な少女だった。彼女は、ラオインのことをお人形さんと呼ぶ。
楽園に暮らす純真無垢なる少女との出逢いが、彼に幸せを教えることとなる。
ふたりきりの、とても、とても幸せな物語です。
この楽園は鳥かごであり、不穏な綻びもありますが、ふたりの愛がそれを繕い、幸福が破れることはありません。読み進めるほどに胸が暖かくなり、ふたりの愛の尊さにほあと感嘆が洩れます。どんな細やかな幸福も取りこぼすことなく、ひとつひとつ、拾いあげるような著者様の筆運びには感服する他にございません。
ふたりの幸せのおすそわけをもらっているような、素敵な読書時間をいただきました。ほんとうにありがとうございます。
あまやかな幸せのお味を口いっぱいに頬張りたい読者さまはぜひ、この物語を紐解いてみてください。花色の風が、あなたを楽園に導いてくれるはずです。
ひとの不幸は蜜の味と言いますが、しかしながら幸せな様を見るのは、もっと甘く蕩けるように素敵なものなのです
ということを、説得力十分に教えてくれるのが本作です
平和のための戦いに明け暮れた主人公と、閉じた楽園の少女が出逢うとき、我々はいっぱいの幸せを噛み締めることになるでしょう
具体的には、砂糖菓子の弾丸的なもので胸を射貫かれます
あまりのことに悶えてもんどりをうち、顔を両手で覆うことになるでしょうが、それはきっと正しい楽しみ方
存分に悶えましょう
さああなたも、めくるめく幸せの甘さを味わうために、ページをめくってみては如何ですか?
とてもとても素敵なものを、眼にすることが出来ると思いますので