この世界から悲しみや不幸が消えない理由 ~神にかたどってつくったから仕方ない~

神は御自分に人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。


創世記 1章 27節



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かたど・る 【象る・模る】


①ある物の形をまねて,そのような形に作る。

②抽象的な物事の内容を具体的な姿・形に表す。象徴する。



 ここの聖句で出てくる「かたどって」は、②ではなく①の意味だろうと思われる。

 神の形をまねて作ったら、男と女になった、と読める。



 たとえば、あなたが「ガンダム」を模型でつくるとする。

 色々あってややこしいので、ここではファーストガンダム(アムロ搭乗)のにしとこう。当たり前の話だが、できる模型はひとつのはずだ。

 だって、そのガンダムのもつ姿はひとつで、色々に見えないからだ。

 もちろん、場合によって色目が違うように見えたり、装備の違いがあったりするだろうが、そんな枝葉末節はいい。

 鉄腕アトムだろうが宇宙戦艦ヤマトだろうが、何かにそっくりに模型を作ったら、出来るものはひとつである。



 皆、何気なくここを読んで「ふぅん」くらいの感想しか持たない。

 でも、かなり不思議ではないだろうか? 何かにそっくりに模して作って、だいぶんちがう二つのものとなったというのだ。

 この次元基準で普通に考えたら、「神」というひとつの存在にそっくりに作ったら、ひとつの「神」になりそうなものだ。それがなぜ、ふたつになるのか?



●結論……神(創造者)は、「すべて」だから。



 我々の住む世界の、最大の特徴は何か。

 それは、一言で言うと「陰陽」。

 光と影、長短、軽重、寒暖、美醜、濃淡などなど。

 すべてが、我々の眼には「相反するもの」として認識される二つの性質をもち、その間のゾーンで無限のパターンを生み出している。

 つまりは、創造者である神の中に、「陰陽」が内包されている。

 そいつが作ったこの世界も、やはり相似形でその性質を受け継いでいる。

「相反するふたつ」が、切り取った時間によっては多少の偏りや増減はあるものの、トータルとしてそのふたつは「在り続ける」ということである。

 それは、「善悪」と我々が認識できるものに関しても適用される。



●永遠に、悪はなくならない、不幸と呼ばれるものもまた、なくなりはしない。



 きれいごと宗教やスピリチュアルは、悪や不幸が「根絶できる」と豪語する。

 世界が愛だけになる(どういう意味と深さで言ってるのか知らないが)という。

 ま、やってみられ。

 自分が生きているうちには無理かもだけど、とか言うなよ。

 私は、近いうちに「地上天国が来る」と宣伝しておいて、その時期になって「やはり神の計画が変わった」「延長になった」と何度か言ってきた某新興宗教を知っている。(てか、そこにいました)



 この世界の設計図自体の中に、「善悪ゲーム(価値観の相違ゲーム、と言い換えてもいい)」というゲーム設定があるのだ。

 ゲームは、キャラを死なせないで最後までクリアするのが誰にとっても一番いいに決まっている。だからといって、絶対に失敗しない、間違わないとしたら?

 失敗しないのは、外科医・大門未知子だけで十分。

 失敗する、過ちを犯す可能性が設定されているからこそ、その中で成功したり、良い選択ができた時に「価値」「喜び」が生じる。どうしてもそうにしかならないことによっては、たとえ失敗はなくとも「胸躍る興奮や喜び」は生まれない。



 神に似せてこの世界を、人間を創ったら、男と女(陰と陽)になった。

 神は完全な「愛」だとか、絶対的な一元的な性質の存在ではなく、ちゃんと「相対」という性質をもった存在だったのだ。

 だから筆者は、神(創造主)は絶対で、完全無欠である(絶対愛・完璧な光である)という考え方を否定する。もちろん、それは私のいち意見であって、皆に採用せよというものではないことを、念のため明記しておく。

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