実録・婚活ノート 番外編4
「ファイルNo.15。十歳年上(自称 実業家)。
・出会いドットコムで申し込まれた。
・名家の出でお金持ち。豊富な資金力をバックに半ば道楽で思いついたビジネスモデルを各地で試すようなことをしているらしい。
・見た目はまったくのおじさん。関西弁。
・大河ドラマに出てくるような有名なお姫様の末裔らしい。
・父親が勲章をもらったので見せてくれると言うので会う。
・1回でお断り。
【考察】
・明るくて気のいい人だったけど、年齢差は埋まらない感じ。オトコとして見ることができない。
・名家の家柄に十歳年下の嫁として入るなんて現実味がなさ過ぎる。跡取りも産めないかもしれないし、荷が重い。
・勲章を初めて見られたのはよかった。」
「ファイルNo.16。同い年(公務員)。
・マッチング倶楽部で申し込まれた。
・隣の県に住んでいる。
・ものすごく小柄でゴロンとしているため、見た時「黄色いドラえもん」だと思った(黄色いTシャツを着ていた)。
・早起きして来てくれた最初のドライブデートで、道を間違えたことに気づかなかったらしく三十分以上ロスした。
・1回でお断り。
【考察】
・悪い人ではなかったけれど、私も方向音痴なので、二人ともそうだと困る。
・住んでる所が遠いので、最初からその距離を超えて会いたいと思うほど好きになる確信がないのであれば、遠恋は難しいと感じた。」
「ファイルNo.17。同い年(歯科医師)。
・マッチング倶楽部で申し込まれた。
・離島の出身者。素朴な感じで、体型はがっちり系小太りで好みだった。
・やさしそうで、適度に熟れていて、いい人。
・会うなり、「僕たち釣り合いませんね」と言って、終始謙遜し続けていた。
・ライブによく行くということで、ずっと音楽の話で盛り上がった。
・向こうから「自分は北沢さんには似合わないから身を引きます」と言ってきた。
【考察】
・私に好かれるはずないと思い込んでいて、見た目はタイプだと言っても聞き入れなかった。実は、彼の方が私のことがタイプじゃなくて、やさしさから言ってる可能性もある。うまく行かないものだ。」
この歯科医師は、その後も私の婚活を応援したいなどと言って、「いい出会いはありましたか?」と近況を訊いてきたり、自分の婚活状況、ライブに行った感想など、友だちみたいにメールを送ってきた。最後に私が「結婚することになった」と書き送ると、ああいうサイトで本当に結婚するってあるんですねと驚きながらも、「おめでとう」と言ってくれた。
「ファイルNo.18。五歳年上(フリーの経営コンサルタント)。
・マッチング倶楽部で申し込まれた。
・東京在住で、時々こっちに仕事で来ているらしい。
・貫禄のある小太りタイプで悪くはない。真面目で大人な感じ。
・南の島に住む夢を話したら「いっしょに行きましょう」と言われて驚いた。自分はどこでも仕事ができると言う。
・そこまでしてもらうほど好きになれないかもしれないと思って、二回会った末に断った。
【考察】
・南の島は心動いたけど、その前にまず東京との遠恋を乗り越えなければならない。その大変さの中で必ず結婚を成就させるところまでいく自信がなかった。
・正直、黒田と比べてしまったところはあった。同じような感じの人なら、黒田の方がいいと。
・違うタイミングで会っていれば、また違ったかもしれない。」
「ファイルNo.19。二つ下(金属加工の技術者)。
・マッチング倶楽部で申し込まれた。
・日に焼けてたくましい外見。口下手ながらやさしそうで、穏やかな感じ。
・世界が違い過ぎる気がして1回でお断り。
【考察】
・やっぱりどうしても、別の世界の人という感じがしてしまった。
・職業で人を見たくないけど、生きてきた背景が似てる方が無理がないのかなぁと思ったり。結局、サラリーマンがいいということなのか?」
この人は、県内の大規模施設の工事で作業員が何人事故死したとか教えてくれた。そういう大きな建築現場では、往々にしてそういうことがあると知った。知らない世界の人、という感じで壁を感じた。
「ファイルNo.20。「笠井」同い年(メーカー勤務のエリート)。
・由佳子の紹介。
・最初はピンと来ないくらい ”おじさん” だと思ったけど、声がいい、包み込むようなオーラがある、という雰囲気で初日で蕩けるくらい惚れてしまう。
・デート2回、いい感じ。
・いつからだったのかわからないけど二股だった模様。そっちを選んだということでフラれる。
【考察】
・波長が合うとはこういうことなんだと、初めてわかった。理屈じゃなく気持ちいい。
・手を差し出してくれるやさしさに、素直にすぐに甘えられるようにならなくてはダメ。」
「ファイルNo.21。同い年(事務機販売会社の総務課課長)。
・保険のおばさんの紹介。
・ぱっと見がぬぼっとしていて、身なりをかまわない感じ。口を開くとニヒルな芸術家タイプ? クセが強そう(好きな感じのクセでもない?)。
・世捨て人?
・「新聞を読んでない」の一言で、決定的にイヤになってしまった。
・1回でお断り。
【考察】
・話してて生活感が感じられず(いっしょに暮らすところが想像できない)。
・「新聞」は単に象徴的なもので、たぶん合わないという直感が働いたのだと思う。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます