カラーバトン隊の苦行

 8月6日。安永たちカラーバトン隊はなぜかサッカー場にいた。


「俺達、なんでここにいるんだろう?」

「ていうか、サッカー部と練習試合って」

「校長、いままでも無茶なことを言ってたけど、これはあまりにも無茶すぎだって」


 口々に不満をいうカラーバトン隊の面々。


「でも、ヤスケンがいるから、ちょっとはマシじゃない」

「そうだ、頼むぞエース」

「おいおい、プレッシャーかけるなよ」

 あせる安永。


「じゃ、試合開始!」


 鈴井校長が試合開始のホイッスルを鳴らした。

 前半から次々と点を入れるサッカー部。カラーバトン隊には安永がいるが、安永までボールが回らない。


「おい、お前ら何やってんだ!しっかりやれ!」


 鈴井校長が無茶な檄を飛ばす。

 試合終了後、サッカーに翻弄されたカラーバトン隊は疲労困憊であった。



 午後になると前日と同様、ルギーマーチングバンドの面々が指導にきた。カラーバトン隊は相変わらず行進をしている。男たちの顔から精気が失われる。

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