第15話【怖い話】神戸市北区の一軒家いらないか?彡(゚)(゚)「一軒家がタダ! 絶対ウソやろこんなん」

ガタンガタン ゴトンゴトン   ビリビリ


彡(゚)(゚)「そろそろこのアパートも引っ越したいもんやで」


彡(-)(-)「安いからって、線路の隣は慣れんもんやな」


彡(^)(^)「せや、さっそくパソコンで部屋さがしや」カタカタ


彡(゚)(゚)「なになに、お勧めは築17年一戸建ての6部屋が2980万円って高いわ」


彡(^)(^)「いまはアパート暮らしでも、いつかは一軒家がほしいやで」


彡(-)(-)「うーん、家なんてすぐに決められるもんちゃうな」


彡(゚)(゚)「芸能人が『ウン億円の豪邸に住んでまーす』とかいうてるけど、あれはもはや別世界やで」


彡(^)(^)「ま、身の丈にあった生活が大事っちゅうことかな」カタカタ


彡(゚)(゚)「お、なになに」


彡(゚)(゚)「この近くやな」


彡(゚)(゚)「一軒家がタダ? 絶対ウソやろこんなん。条件は」


彡(゚)(゚)「必ず受け取ること。条件次第やな」


彡(゚)(゚)「3日以上、家を空けないこと。旅行なんて行かんしな」


彡(゚)(゚)「亡くなるまで住んでくれること、おまけに土地までくれる。ええやん」


彡(゚)(゚)「裏庭の林に井戸、これには触るな。広いんか、いまどき井戸あるんか」


彡(゚)(゚)「夜になったら山からなんかくる」


彡(^)(^)「タヌキやろか、動物はけっこう好きやで」


彡(゚)(゚)「そういえばタヌキそっくりの犬飼ってる動画あったな、可愛かったで」


彡(^)(^)「どちらにしても家がタダなんてあらへんあらへん、これは壮大な釣りっちゅーやつやで」


彡(゚)(゚)「こんな創作するやなんて、暇なやつもおるんやなー」


彡(゚)(゚)「ないない」







ピンポーン ガチャッ


(´・ω・`) 「へー、ここが新しい家なんだ。これお祝いの観葉植物ね」


彡(^)(^)「よぉきてくれたなぁ。ありがとな原ちゃん、あがってあがって」


(´・ω・`) 「おじゃましまーす」スタスタ


彡(^)(^)「ワイも一生アパート暮らしとか思とったんやけどな、立派な一軒家やろ」スタスタ


(´・ω・`) 「けっこう広いみたいだしローンとか大丈夫?」


彡(^)(^)「そう思うやろ」


彡(^)(^)「それがなんと、タダなんやで。あ、お茶いれるわ」


(´・ω・`) 「うん、ありがとう。え、タダなの」




彡(゚)(゚)「まあ条件付きなんやけど、タダみたいなもんなんや」


(´・ω・`) 「それって、いわくつき物件ってやつなんじゃないの」


彡(^)(^)「ワイも最初はそう思った」


彡(^)(^)「しばらくここに住んどるけど、特になんもないで」


彡(゚)(゚)「前のアパートに比べると少し、広すぎるんやけどな。使ってない部屋もあるし」


彡(^)(^)「ワイには贅沢な悩みやで。よかったわ」


(´・ω・`)「それならいいんだけどね」


(´・ω・`) 「そうそう、海外では幽霊が現れる家が人気だったりするんだよ」


(´・ω・`) 「宗教が違うからという考えかたもあるけどね」


彡(゚)(゚)「ふーん、そうなんか」


(´・ω・`) 「それにしてもなかなか綺麗な家だね、ホントいうともっと古い感じかなって思ってたんだけど」


彡(^)(^)「そうやろな、ワイも最初は驚いたで」


彡(゚)(゚)「なんでもリフォーム済なんやと」


(´・ω・`) 「そうなんだ」


彡(゚)(゚)「あっ、そうや」


彡(゚)(゚)「この家、渡されるとき持ち主がこう言ってたんや。山からなんか来る、あとは怖いし切ないって」


(´・ω・`) 「何か来る? タヌキかな」


彡(^)(^)「タヌキはおらへんな。見たかったんやけどなー」


彡(^)(^)「へんな営業マンとかもこーへん、怖い切ないいうのもようわからん。あっ、独り暮らしはちょっと切ないけど」


(´・ω・`) 「切ないのは前の持ち主が、恋人と別れたからとか。ペットとの別れかも」


彡(゚)(゚)「そうかもしれへんな、顔がちょっとやつれた感じやったであの人」


彡(゚)(゚)「ペットロスっちゅうやつか」


彡(^)(^)「ワイもあるで」


(´・ω・`) 「え」


彡(゚)(゚)「ずっとまえにハリネズミカフェいったんや」


(´・ω・`) 「は?」


彡(^)(^)「あ、知ってるかハリネズミな、ハムスターみたいにクルクルのやつで走るんやで」


彡(^)(^)「それから抱っこしたんや、そしたらワイになついてきてな」


彡(^)(^)「可愛い声で鳴くんやで、フシュフシュッてな」


彡(^)(^)「ほら、まだ手のひらに跡が残っとるんやで」


彡(゚)(゚)「あぁ、あのときの可愛さが忘れられんなぁ」ニギニギ


(´・ω・`) 「うん、威嚇されてるね」




(´・ω・`) 「それじゃ、またくるよ」


彡(^)(^)「きてくれてありがとやで、またなー」ガチャ


彡(゚)(゚)「さてと、お祝いの品はどこに飾ろうか」


彡(^)(^)「玄関でええか」コトッ




(´・ω・`)「いわくつき物件なんて、実際は気分的なものなのかな」クルッ


(´・ω・`)「ん?」


(´・ω・`)「気のせいかな……」







彡(^)(^)「おんJやっとったら、もうこんな時間やで」


彡(゚)(゚)「精霊呼び出すとか心霊スポットにいくスレとかあるけど、ただの観光案内みたいやったな、まあそんなもんやろ」


彡(ー)(ー)「寝よ寝よ。すー」ゴロン




ヒュウウウゥゥ


彡(ー)(ー)「うーん」


彡(゚)(゚)「……」


アハハッ


彡(^)(^)「おんちゃんどうしたんや、なにかええことでもあったんか」


(o'ω'n)「アハハッ、うんっ!」トタタタ


彡(^)(^)「そうなんや、よかったなー」


(o'ω'n)「あそんであそんでー」


彡(゚)(゚)「ちょっとだけ、まっとってなー」


(o'ω'n)「……」タタッ


彡(゚)(゚)「あっ」




彡(ー)(ー)「ふあぁあ、なんやリアルな夢やったな」


彡(゚)(゚)「あれ? だれかと一緒にいたような……思い出せん」


彡(゚)(゚)「夢は、潜在意識がどうのこうのっちゅー話やったな確か、まあええか」




カチッガチャッ


彡(^)(^)「ただいまー、なんてな」


彡(゚)(゚)「結婚はええでーとかいわれても、出会いがないっちゅーねん! ただの自慢話やないか、どいつもこいつも」


彡(ー)(ー)「もう遅いし風呂、飯、ベッド直行便コースやでー。あーあ」




彡(ー)(ー)「すー、すー」


トトトトッ


彡(゚)(゚)「あ、どこいくんや」


彡(^)(^)「おんちゃーん」スタスタ


(o'ω'n)「こっちー」タタッ


彡(^)(^)「とおくへいくとあぶないでー」スタスタ


彡(ー)(ー)「……」


彡(^)(^)「おーいっ」


アハハハッ


彡(^)(^)「かくれんぼかー」


アハハッ


彡(ー)(ー)「あっ……ここやなぁ……ええとこかくれたなぁ」


彡(^)(゚)「おんちゃーー」


彡(゚)(゚)「ん?」


ザアアアァァッ


彡(゚)(ー)「どこ?」


シーン


彡()()「ここ井戸や」


彡()()「ブワックシュ……寒い」ブルッ


彡(゚)(ー)「まだ明けがたかいな」スタスタ


彡(ー)(ー)「いつの間に外へ、もしかしてはじめからあそこで寝てたんか? いやそんなわけない」ガチャッ


彡(゚)(ー)「疲れのせいやろか」


(o'ω'n)「あそんで」


彡(゚)(゚)「えっ」


(o'ω'n)「……」


彡()()「な、なんやオマエはっ」ガッ


彡(゚)(゚)「うおっ!」グラッ


ブスブスッ


彡()()「アイッタァーーッ!」


彡()()「手にトゲが3本も」


彡(-)(゚)「あら、誰もおらん」









(´・ω・`)「寝ぼけてただけでしょ」


彡(゚)(゚)「疑り深いなぁ、ほんとなんやて」


彡(^)(^)「あれからもう、見らんようになったけどな」


(´・ω・`)「本当かなぁ……引っ越し祝い、サボテンじゃなくて別なのがよかった?」


彡(^)(^)「サボテン好きやでワイ、トゲがかっこええしな! ケガなんて気にせんでええから」


彡(゚)(゚)「それよりタルパって知っとるか?」


(´・ω・`)「知ってるよ。彼女が欲しかったら、現実でね。まずオシャレからだよ」


ワイハ ケッコウシャレ トクイヤデー


エー











(o'ω'n)





【怖い話】神戸市北区の一軒家いらないか?彡(゚)(゚)「一軒家がタダ! 絶対ウソやろこんなん」 完全

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