第44話求めあう二人

「麗ちゃん・・・」

桃香の声がかすれた。

裸の胸と胸が重なりあっているので、桃香の声でお互いの胸が動く。


「桃ちゃん、温かい」

麗は、月並みと思うけれど、本当に桃香の胸は温かく、柔らかい。

「ありがとう、ホッとする」

これも本音になる。


桃香の顔が上気した。

「うん、うれしい」

「料亭で麗ちゃんを見た時から、ずっとこうしたかった」

「うちは・・・メチャ・・・」

桃香の言葉が、そこで止まる。


麗は、じっと桃香の次の言葉を待つ。


桃香の声が湿った。

「気持ちいい・・・」

「麗ちゃんは?」


麗は、自然と腕が桃香の背中に伸びた。

「うん、ドキドキする、すごく気持ちがいい」


桃香は、麗の耳たぶをなめる。

麗は不意打ちで、全身がビクンと震える。


桃香はクスッと笑う。

「感じちゃった?」


麗はドキドキして、全く答えられない。


桃香の声が、またかすれた。

「麗ちゃん・・・欲しい」

「我慢できん・・・」



「うん・・・」

ようやく麗が目を覚ますと、桃香が麗の全身を撫でている。

「桃ちゃん、くすぐったい」


桃香は、満足そうな顔。

麗の言葉には答えない。


「ほんま・・・」

「元気やった、うちは何度も天国や」



麗が赤面すると、桃香は豊かな胸を麗の顔に押し付ける。

「反論と抗議は却下や」

「どや、声も出せんやろ?」

「ほらほら、無理や」

とにかく豊かな胸で麗の顔を押しつぶすような感じ。


桃香に言われなくても、麗は声どころか、呼吸も苦しい。


それでも、桃香はようやく麗から胸を離した。

ゼイゼイしている麗を、横抱きにする。


桃香

「麗ちゃん、そこでちょいと相談や」


桃香は、そのまま麗の唇を吸っている。

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