【大感謝!510万PV突破!】異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】
第1097話 リルルも湯船に浸かりました
第1097話 リルルも湯船に浸かりました
独自の泳ぎなんかもあって、基本的に型のようなものはなく、とりあえず服や荷物をできるだけ濡らさないようにするのが一番なのだとか。
まぁ、海水浴が一般的じゃないし、川を泳ぐにしたって遊びや競技ではなく、川を渡る手段としてくらいらしいから、そんなものかなと思う。
今度、森にあった川のような場所に行く事があれば、クロールとかを教えるのもいいかもな。
息継ぎやバタ足が難しいようなら、顔を浸けない平泳ぎでいいだろうけど……結果的に犬かきになるような気がするのは気のせいにしておく。
「よーし、顔も洗ったしお次はブラッシング……リルル?」
「ガウゥ……ガウゥ?」
リーザ達が本当に溺れてしまわないよう、注意しつつフェンとリルルを洗い、お楽しみになるかどうかのブラッシングをしようとした時、リルルがパチャパチャと泳ぐシェリーを見て羨ましそうにしていた。
通訳がなくても、何を言いたいのかわかってしまったな……。
「さすがに、リルルが入るには浅すぎる気がするけど……クレア、セバスチャンさん、どうしますか?」
「そうですね……入りたいのであれば、入っても問題ありませんが……」
「リルルが泳げたとしても、シェリーのようにできる深さはないと思われますが……」
おそらく、自分もシェリーのように湯船に入ってみたいという事なんだろうけど、さすがに泳げる深さはない……そもそも人間の大人でも満足に泳げない深さしかないからな。
広さの方は十分だから、後で掃除をするのが大変になる以外は大丈夫だろうけど、念のためクレアやセバスチャンさんにも聞いてみる。
二人共、入るのは問題ないけど俺と同じ意見で、泳げはしないだろうとの事。
「そうですよね。リルルどうする? というか、お湯は大丈夫なのか?」
「ガウゥ!」
「ガウ……」
とりあえず一度入ってみればわかるかと思ったが、そういえばレオはお湯が苦手だったのを思い出し、リルルに聞いてみる。
すると、元気よく答えるリルルに対し、フェンの方は少し距離を取るようにしながら項垂れていた。
あ、フェンはレオと同じくお湯が苦手なんだな……リルルは大丈夫そうだ。
フェンリルにも色々あるんだなぁ……フェリーも湯船には興味を持たなかったから、シェリーとリルルが特殊なのかもしれないけど。
「じゃあ、とりあえず入ってみるか。――おーい、リーザとティルラちゃん。それからシェリー。これからリルルが入るから、ちょっと端に寄っていてくれー」
「わー、リルルも来るんだ。わかった、パパー」
「リルルも一緒ですね、わかりました」
「キャゥキャゥ、キャウー!」
「ガウゥ」
パチャパチャと泳いでいるリーザ達に声をかけ、端によってリルルが入るのを待ってもらう。
二人とシェリーは歓迎モードで、すぐにスペースを開けてくれた。
ゆっくりはいれば大丈夫だと思うだけど、大きなリルルが入ったらお湯が溢れるし流れができる……泳ごうとするのに夢中で、二人が溺れたらいけないからな。
リーザ達が湯船の縁に行ったのを確認した後、リルルを促してゆっくり湯船に入れていく……。
「ガウゥ?」
「まぁ、そうだよなぁ。お座り……でもだめか。顔を上げた状態で伏せて見てくれるか?」
「ガウゥ。ガウ~」
「気持ちいいって言ってるみたいだよー」
「そうか。リルルはお湯が気に入ったんだな」
いざ湯船に入ってみると、立った状態では体にすら届かない程度の深さしかない。
お座りをさせても満足にお腹すら浸かれないので、伏せをしてもらってようやく、体の半分より少し下くらいまでが浸かる事ができた。
少し熱いくらいの温度のお湯に浸かり、思わず鳴き声を上げるリルルの通訳をリーザがやってくれる。
気持ちいいって事は、気に入ったって事でもあるんだろう……泳ぐ事を忘れてそれからしばらく、リルルはお湯に浸かっていた。
フェンはそんなリルルに対し、ちょっと羨ましそうにしていたけど、やっぱりお湯が苦手な方が勝ったのか一緒に浸かる事はなかった。
結局、リーザ達が泳ぐスペースが狭くなったので、シェリーと一緒に寄り添ってしばらく湯船に浸かったままだった
そのままブラッシングをしたけど……すぐにお湯で流せるから、かなり楽だったなぁ――。
レオやフェンリル達を洗い終わり、毛を乾かしてもう一度ブラッシングをした後、夕食。
激しく運動をしたからか、フェリー達はいつもより食欲旺盛だった。
「今日は、頭も使ったし風呂に入れて結構体を動かした感覚だなぁ……」
「お疲れ様です、タクミ様」
「ワフワフ」
「えへへ~、ママの毛気持ちいいねー」
諸々のやる事を終えて、部屋に戻ってレオに抱き着き付いているリーザを眺めながら、深く息を吐く……。
俺が風呂に入っている間、レオ達を見てくれていたライラさんにも労われた。
「ライラさんこそ、お疲れ様です。疲れたんじゃないですか?」
「多少は。ですが今日は思う存分お世話ができた、充実感の方が勝っています」
「ははは、そうですか」
疲れた表情はしていないが、さすがにフェンリル達を風呂に入れたのは疲れたみたいだけど、お世話好きのライラさんは楽しそうでいつもより表情が柔らかい気がする。
風呂に入る準備とか、慣れない使用人さん達への洗い方の教授とか、他にも風呂上がりのレオ達をタオルで吹いて毛を乾かしたり、ブラッシングをしたりと大変だったのになぁ。
「あ、他の人達はどんな様子ですか? ヴォルターさんはともかく、初めてレオ達を風呂に入れて疲れていたりは……」
「慣れない事でしたので、多少の疲れはあるようでした。ですが、問題ある程ではないかと。チタさんなどは、フェンリルに多く触れ合えてずっと喜んでいましたし」
「チタさんは、その後も興奮していた様子でしたからね。皆疲れすぎていないなら良かったです」
レオもそうだが、フェンリル達は大きい。
濡れた時は小さく感じるが、それでも結構な重労働と言える作業だからなぁ……。
人数がいたおかげもあるんだろうけど、大きな疲れが残らなさそうならこれからも大丈夫か。
疲労回復の薬草は必要なさそうだな。
そういえば、ゲルダさんは今回失敗というかドジをしなかったな……気を付けていたからだろうか?
それとも、人が相手じゃないからとか、何か理由があるんだろうか?
俺相手の時は、よく失敗するのになぁ……。
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