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第1056話 タイニーライトも揃っていました
第1056話 タイニーライトも揃っていました
「それじゃ、確かに注文を受けたよ」
「はい、お願いします」
お店の外でレオを見てくれている、シャロルさんやチタさん以外の、使用人候補さん達と相談しながら、イザベルさんに必要な物を注文する。
ある程度は既に決めてあったので、実際の値段を見てから頼んでも良さそうな物の相談くらいだけど。
さっきもそうだったけど、キースさんが特に詳しくて相場なんかも交えて助言してくれた……商売関係の事にはそれなりに知識があるようだ。
ちなみに、厨房に置く魔法具も選ぶ必要があったので、本当はヘレーナさんか料理人さんに来てもらうはずだったんだけど、もやし料理とかソーイ購入の検討に忙しいらしかった。
結局、ある程度必要な物は先に教えてもらって俺が注文しておいて、後々ヘレーナさんが足りない物やあった方がいい物を注文しに来る事になっている。
それにしても、厨房でコンロっぽい物を使っていたから、ある程度知っていたけど……あれも魔法具だったんだなぁ。
大掛かりな物だと、火を扱う物、少し温度を低くした保管庫……冷蔵庫に近い物があり、小物だと魔力を込めたら先が回転するハンドミキサーみたいなのもあったりした。
電気がない代わりに魔力が使われるけど、結局便利な物を求めた場合に作られる物は、似ていくのかもしれないな……ユートさんとか、他の地球から来た人が考えたって可能性もあるけど。
何はともあれ、魔法具と聞くと俺なんかは特殊な物と思いがちだけど、意外と生活を便利にするための物が多いのかもしれないな。
「それにしても、中々思い切った買い物をしたもんさね。まぁ、貴族様の住まう屋敷なのだから、当然なのかもしれないけどね」
「そうですね、俺はもっと安い物でも気にしないんですけど……色々考える事があるみたいで」
俺が注文をした物のリストを見ながら、息を吐くイザベルさん。
個人的な物はそれぞれに任せて買っていいんだけど、ある程度の高級品は必要だと、クレアやセバスチャンさんに言われていた。
特に、お客さんが来た際に見られる、玄関や廊下、客間や客室などだ。
貴族……特に公爵家として、見窄らしい住まいにはできないとの事……個人の部屋はその限りではないけど、それなりの暮らしをしているのを見せるのも、貴族の仕事の一つなのだとか。
正直、俺にはよくわからない事だったけど、クレアが住む場所と考えたら少しは見栄え良くしたい、という思いはあったりする。
貴族とは関係なく、単なる男の見栄かもしれないけども。
「ま、私達にはわからない苦労って物もあるもんさね。おっとそうだ、忘れるところだった。前に頼まれていた、タイニーライト。かき集めておいたよ」
「もうですか? 早いですね」
「一部で欲しがるのがいても、失敗作とも言われる物だからねぇ。どこも余らせ気味なのさね。集めるのはそんなに苦労する事じゃないよ」
思い出したように、イザベルさんがカウンター下から一抱えある箱を取り出す。
中を開けてくれたので覗き込んでみると、大量のタイニーライトが詰められていた……雇った人達のために、タイニーライトを多めに頼んでいた物だな。
全部が緑色なのは、俺が頼んだ通りだ。
「それじゃ……えっと……?」
「タイニーライト、確かに五十個です」
「ありがとうございます。五十個で銅貨二十五枚でしたか。それじゃ……確認をお願いします」
「はいよ。えーと……」
使用人候補の人達に、箱に入っているタイニーライトの数を数えてもらい、懐からお金を取り出してイザベルさんに渡す。
イザベルさんの事は信用しているし、数を誤魔化したりはしないだろうけど、商売をするうえでこういった確認作業は大事だ。
「おや、銅貨の数が多いようだよ? それに、銀貨も混じってるさね」
「それは、早く用意してくれたお礼です。お茶代だと思って取っておいて下さい」
「中々、人の心を掴むのが上手いねぇ。わかったよ、それじゃ今度来た時のために、美味い茶や食べ物でも用意しておくかね」
「はい、お願いします」
イザベルさんに渡した銅貨は三十枚、銀貨も一枚だけ追加してある。
値切ったりするのではなく、逆に多くのお金を支払っている事になるけど、イザベルさんにはこれからもお世話になる事があるだろうから、心付けのようなものだ……チップの方が、意味合いとしては近いかな?
まぁ、何度か尋ねるたびにお茶を出してくれていたりもしたから、その代金と思ってもらっていいと思う。
それに、魔法具の値下げもしてくれたし……値下げ額と比べたら、微々たる物だけど。
チップに関しては、俺のような海外に行った事がない日本人には馴染みがないけど、贔屓にする店やそこの店員には、裕福な者はそうした方が喜ばれる事が多いと聞いたからだったりする。
話の元は、もちろんセバスチャンさんだけど。
……前回来た時、雑貨屋のハインさんにセバスチャンさんが退店時に何かを渡していたのを見て、聞いてみたらってわけだ。
そうして、イザベルさんのお店で魔法具の注文を終え、注文した物が揃ったら報せてもらう事になって、お店を後にした。
「しかし、これほどのタイニーライト……何に使うのでしょうか?」
「そういえば、皆さんには言っていませんでしたね……」
レオと合流し、ハルトンさんの仕立て屋へ向かいながら、箱を持ったキースさんから不思議そうに聞かれる。
イザベルさんと話していた時は、特に利用法を説明していなかったし、頼んだ時はいなかったからな。
キースさん達は、まだ現状使用人候補であって、正式に雇う事が決まっていないのでまだ渡せないが、俺が雇った人に少しでも楽しんでもらえればと考えて買ったのだと説明。
まぁ、安物だから本当に喜ばれるかどうかは未知数だし、俺としては雇っている人という目印みたいな感覚だったし。
「成る程、つまり真面目に働くよう促すための、褒美のようなものですか。いえ、褒美は何か成果を上げた時に渡すものでした」
「……そこまでの事は考えていませんでしたけど。ご褒美にしても、喜ばないんじゃないですかね?」
納得して頷くキースさん、その他使用人候補さん達。
ご褒美にするとしても、タイニーライトだと喜ぶ人は少ないんじゃないかなぁ……? 値段的には誰でも買えるようなものだし。
レオのご褒美に、ソーセージを用意するような感覚とは違うと思うんだけど――。
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