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第709話 ヘレーナさん達と夕食の相談しました
第709話 ヘレーナさん達と夕食の相談しました
「えーと、とりあえずこのトフーは他には?」
「一応、その行商人から買えるだけの分は買ってあります。本日の夕食で、皆様にお出しできるくらいはあるはずです」
「そうですか……」
ヘレーナさん、食材の事になると思い切りがいいな……見つけた時は、まだどう使うかも考えていなかったはずなのに。
美味しい料理や新しい料理に関する事になると、前のめりになるヘレーナさんらしいと言えばらしいのかな。
「タクミ様、何かできそうな料理はありますでしょうか? ハンバーグに続き、頼ってばかりなのは私としても不甲斐ないと思いますが……」
「俺の知識が役に立つのなら、全然構いませんよ。そうですね……ヘレーナさんは、味見をしたりは?」
「一応、行商人からかう際に少々。ですが、味としては美味しいとも美味しくないとも言えない、というのが正直な感想でしょうか。食感は珍しくて少々驚きを感じますね」
味見はしたのか……確かにトフーは、煮た大豆の絞り汁を固めただけで味付けをしていないから、はっきりとした味を感じなくて微妙に感じるのもおかしくない。
素材の味を楽しむ方向ではなく、濃い目の味付けが多い食文化だと特に淡泊な味に感じてしまうだろうな。
さてどうするか……と考えても、結局俺自体が料理に詳しいわけじゃないから、簡単な応用方くらいしかわからない……自炊してた時の料理レシピなんて、インターネットのレシピサイトで適当に調べただけだったし。
そうだな、醤油があれば鰹節なり刻んだネギ……じゃない、ここではネーギだったか……と合わせて食べる単純な食べ方が一番好きなんだが、厨房には醤油がなさそうだし、他の方法で簡単な食べ方にしよう。
「ヘレーナさん。夕食なので、それなりに味の濃い物が出ますよね?」
「はい。タクミ様に教えて頂いたハンバーグに、チーズを載せずソースを変えた物を作っております」
ヘレーナさんが視線を外したので、俺もそちらを見てみると、料理人さん数人がせっせとハンバーグのタネを混ぜたり捏ねたりしている所だった。
「あ、私もお手伝いしたいー!」
「ははは。ヘレーナさん、すみませんがリーザにも手伝わせてやれますか?」
「はい、構いませんよ。では……おーい、誰かリーザ様についてやって下さい!」
「畏まりました、私が」
「リーザ?」
「はーい。ありがとうございます、手伝わせて……イタダキマス?」
「ほっほっほ、リーザ様はタクミ様に教えられて、勉強中のようですな」
ハンバーグを作っているのを見て、リーザがやる気を出したようなのでヘレーナさんに頼んで一緒に作ってもらうようにする。
厨房に来るまでに、手伝える場合はちゃんとお願いするための文言を教えていたんだが……途中で自信がなくなったらしく、ちょこんとお辞儀をした後頭を下げた状態で首を傾げる。
こちらを見ていた料理人さんの多くが、そのリーザの仕草による可愛さに、顔を背けたりしていたのはともかく、セバスチャンさんには俺が教えていると見抜かれた。
まぁ、慣れない事を言おうとしているのは明白だから、バレて当然か。
ともかく、リーザの事はハンバーグを作っている料理人さん達に任せ、こちらはこちらでトフーの使い方だ。
「俺は、単純にそのまま食べるのも好きなんですけど、今は調味料が足りないので……サラダにするのはどうでしょう?」
「サラダですか……ふむ、ありですね。だからタクミ様は、夕食が濃い味かどうか聞いたんですね?」
「サラダですかな?」
さすがヘレーナさんは料理人だけあって、俺がサラダと言った理由がわかったようだ。
セバスチャンさんは首を傾げているが、知識はあっても料理をする機会がなく、食事全体での味のバランスを考える機会がないからだろう。
「ハンバーグにソースをかけると、味が濃くなりますからね。なので、サラダでさっぱりとするのもいいんじゃないかと。まぁ、こちらも味が濃くないとは言えませんが……ドレッシング次第ですかね」
ハンバーグは肉料理だし、ソースをかけて味を濃くするのならさっぱりした物が欲しくなるだろうし、サラダが一番食べやすいかなと思う。
ドレッシング次第で、こちらも濃い味にはなってしまうだろうが、トフーを混ぜれば大分緩和されてさっぱりしてくれるだろう。
「野菜は、準備できていますか?」
「はい。以前ハンバーグを作った時に、適当な大きさに切った野菜を焼いて、付け合わせにするといいとも教えられておりましたので」
「それなら、その野菜を使ってサラダを作ってみましょう」
「畏まりました」
と、偉そうにヘレーナさんへ指示を出したのはいいが、結局料理するのは俺じゃなく料理人の皆さんだ……俺がやると、不揃いな大きさに野菜を切るくらいしかできない。
千切りくらいはできるけど、慣れないからヘレーナさん達の邪魔をしそうだしな。
「タクミ様、サラダの準備ができました。こちらが本日作ったドレッシングです」
「では、ちょっと味見を……」
楽しそうにハンバーグを捏ねているリーザの様子を見つつ、サラダが作られるのを待つ。
同じく料理には直接関わらないセバスチャンさんと、雑談をしているとヘレーナさんが盛り付けまでされたサラダと一緒に、ボウルに近い木の器に入ったドレッシングを持ってきた。
味見をするため、スプーンを受け取って少しだけ掬い、口に入れる。
……ベーコンが入っているようだから、見た目はイタリアンドレッシングのようだったけど、味は違うようだな……これは、オリーブオイルの香りかな?
「考えていたよりもさっぱりしていますね」
「はい。タクミ様も言っていたように、サラダをたさっぱりと食べやすくするように作りました。少々香りが強いかもしれませんが……」
確かにオリーブオイルの香りが少し強い気がするけど、サラダにかけて食べればあまり気にならなさそうだし、ビネガーだっけ? あれも入っていて酸っぱさも微かに感じるからさっぱりと食べられるだろう。
「まぁ、香りはトフーを使えば少し緩和されると思いますよ」
ドレッシングに混ぜるわけじゃないが、ソーイの香りもあるだろうから。
さて、あとはトフーをサラダに混ぜてドレッシングをかけるだけだな――。
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