【大感謝!510万PV突破!】異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】
第675話 ランジ村の歓迎会は大盛り上がりの様子でした
第675話 ランジ村の歓迎会は大盛り上がりの様子でした
クレアさんに話せる内容の一つとして、レオの事を話題にあげる。
ユートさんとは他にも色々な話をしたけど、レオが一緒に日本から来た事や俺と話せるからというのもあり、シルバーフェンリルがいても問題なしと結論付けた。
問題があってもシルバーフェンリルなのでどうしようもないんだけど……なんて言っていたのは、あの場だけでの事だ。
まぁ、そこから怒らせないように謝っておこう、となったんだけどな。
あの土下座を見れば、誰もが王家すらシルバーフェンリルに対して、排除しようなんて考えていないとわかってくれるだろう。
「そ、そうですね。レオ様に襲い掛かった時は驚きましたが、王家の方と聞いてさらに驚きました。そこからさっきの謝罪ですから……今日は驚く事ばかりです」
「ははは、危険のない驚きなら、楽しくていいんじゃないですか?」
「むぅ……タクミさんはレオ様が襲われても、なんとも思わないんですか?」
可愛くむくれて、文句を言うクレアさん……珍しいな、こんな表情をするのは。
それだけ、自然体で接してくれるようになってきたんだと、思っておこう。
「もちろん、襲われていい気はしませんが……レオが簡単にあしらっていましたからね。あしらうという言い方で正しいのか、わかりませんが……ははは」
「そうでしたね……」
ユートさんは、エッケンハルトさんとルグレッタさん曰く、魔法がなければそこらの兵士に敵わないくらい、剣や刀をうまく扱えないらしい。
それでなくとも、達人級のエッケンハルトさんすら敵わないのだから、ユートさんが襲い掛かってレオが怪我をするような事はないんだろう。
というかだ、自覚はあるらしいけどなぜそれでレオに限らず、シルバーフェンリルを物理でどうにかしようと思ったのか……まぁ、魔法では敵わないとわかっているからとも言っていたけど、剣でも敵わないのもわかって欲しいものだ。
ゲームのような感覚で、わかっていてもやらずにはおれない何かがあるのかもしれないが……。
「それにしても、ユート様とタクミさんが友人のように話していて、それも驚きましたよ? 王家の方は公爵家よりも上なのは当然で、お父様にもあんな風に話していないのに……」
「それはまぁ……ユートさんから言われたからですね。あと、年齢も近そうなので……」
エッケンハルトさんとは、接しているうちに友人に近い感覚になって来ているが、年が離れているので、どうしても気のいいオッチャンという感覚が抜けない。
けどユートさんは、向こうから言ってくれた事と、同郷であるのもあって懐かしさや親しみを感じるから、エッケンハルトさんより話しやすいんだよなぁ……目上の人には敬語を、というのが染みついているせいで、少しぎこちなくはなっているけど。
あと年齢は……実は不老のために千歳以上という、よくわからない状態のため、逆に実感が沸かずに、見た目が俺と近い年齢っぽいからそちらへ引きずられているおかげかもな。
身分に関しては、王家ではあるが大公爵でもあるという……どちらにせよ公爵よりも上なのだが、それはともかくだ、国を作ったユートさんは当然国王であるはずなんだけど、戦争をしなくなって国が落ち着いたあたりで退位したらしい……不老だからずっと国王でいられたらしいけど、そこは自分の子供達に譲ったとの事だ。
ユートさんに子供達がいたのかというのは、それだけ長い間生きていればそういう事もあるだろうと、さらりと流された。
戦争に関しては、ほとんどユートさんとジョセフィーヌさんとシルバーフェンリルの活躍で、国には大きな損害はなかったらしいんだけど、国外からは恐れられるようになり、そこから戦争を仕掛けて来る国が減ったと話していた。
まぁ、ユートさんはともかく、シルバーフェンリルが出て来て相対する事になるんだから、やる気をなくすのも当然か……仕掛けなければやられないんだし。
そして、一応の身分は高い位置にはあっても、ユートさん自身は気楽に旅をして色々と見て回りたいらしく、ランジ村にシルバーフェンリルが現れたという情報から、王権の紋章を見せはしたが、普段はそこらの旅人と変わらない様子で、気ままに行動しているらしい。
「年齢で言えば、私の方が近いと思います。それなのに、ユート様には気軽に話して、私には今までと同じなんて……タクミさんは、いつになったら敬語をやめてくれるのでしょうか?」
「えーと……」
「以前……タクミさんやレオ様に助けられてすぐの頃ですが、慣れるまでと言っていました。まだ、私には慣れませんか?」
ユートさんの事はともかく、今はクレアさんとの話だな……そう言えば、最初の頃に敬語は慣れるまでこのまま、なんて言っていたっけ。
結局、そのまま敬語でクレアさんと話す事に慣れてしまい、今までずっとそのままだったけど、もしかするとクレアさんはずっと覚えていて気にしていたのかもしれない。
「すみません、もう少しだけこのままというのは……その、こうやって話すのに慣れてしまったので……」
「もう少しというのはいつなのですか!? 長いとは言えないかもしれませんが、タクミさんと過ごして来ました……これ以上、いつまで待てというのですか!?」
「ちょ、ちょっと……クレアさん?」
「お父様が本邸に帰るまでですか? それとも、ランジ村に家が建つまでですか? はたまた、薬草畑を開始する頃までですか!? 一体、いつまでなんですかぁ!?」
段々と敬語ではない話し方に慣れようと、もう少しと提案したんだが、それがクレアさんの何かに火を付けてしまったようで、顔を真っ赤にさせながら詰め寄られる。
……うん? 顔が真っ赤……?
「あ、クレアさん……いつの間にかワインが……」
「ワインなんて、今は関係ありません! それともなんですか、ワインを樽ごとでも飲めば、タクミさんは自然に私と接してくれるんですか!?」
「いえ……そういうわけでは……というか、樽ごとはさすがに飲み過ぎなので、止めましょうね?」
気付けば、クレアさんが飲んでいたグラスが空になっていた。
以前酔ってアンネさんに絡んだ事があり、後悔してしばらく飲まないようにしていたのに……顔が赤いのもそのせいだろう。
今回は村を挙げての歓迎会なため、お酒を断るわけにもいかず、酔わないようゆっくりと飲んでいたはずなんだが、何かの拍子に飲み干してしまったらしい。
原因は……うん、俺のせいなんだろうなぁ……酔っている状態とはいえ、これだけの勢いという事は、本当に今まで俺が敬語で接していたのを気にしていたんだろうから――。
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