【大感謝!510万PV突破!】異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】
第390話 セバスチャンさんと薬草畑の相談をしました
第390話 セバスチャンさんと薬草畑の相談をしました
食後のティータイムも終わり、その場が解散になった後、俺とティルラちゃんとエッケンハルトさんは、鍛錬のために裏庭へ……行こうとして、セバスチャンさんに話があると止められた。
なんだろう?
「タクミ様、薬草栽培の事でお伝えしたい事があります」
「薬草栽培の? 簡易薬草畑で何かありましたか?」
セバスチャンさんの話と言うのは、今進行中の簡易薬草畑の事らしい。
少し真剣な様子だから、何かがあったのかもしれない。
既に話を知っている様子のエッケンハルトさんは、先にティルラちゃんと一緒に裏庭へ。
ついでに、レオにリーザを一緒に連れて行ってもらった。
難しい話で、リーザが退屈しちゃいけないしな。
でも、簡易薬草畑の話なら、裏庭で様子を見ながら話した方がいいと思うんだけど……?
「もう暗いですからな。裏庭で見ても、はっきりと様子を確認できないでしょう。それに、まずはお話をと思いまして」
「そうですか、わかりました」
セバスチャンさんに聞くと、暗いからというのが理由らしい。
明かりの魔法は使わない事になっているから、照らして様子を見る事もできないし、確認できないのであれば仕方ない。
「それでですな、薬草畑で新しく増えた薬草が、本日の昼過ぎ頃に枯れました」
「……そうですか」
枯れるのは予想済みだ。
俺が直接作った薬草よりは、成長速度が遅かったとはいえ、通常の物からすると随分成長が早かった。
それを考えると、もうそろそろ枯れてしまうんじゃないか……と考えていたしな。
「新しく増えた薬草……仮に二段階薬草と呼称しましょう。そちらは、個体差はありましたが……昼過ぎから枯れ始め、一時間程度で全てが枯れました」
二段階薬草……これは、俺が直接『雑草栽培』で作った薬草を一段階目の薬草として、仮に呼ぶという事か。
確かに、その方がわかりやすいな。
「それじゃあ、えっと……三段階目の薬草はどうなっていますか?」
「三段階薬草は、現時点で摘み取れるくらいまでの成長を確認しております。そして、四段階薬草も芽を出している様子です」
「四段階まで行ってるんですね」
二段階薬草は、一段階薬草の半分くらいの時間で成長し、枯れた事になる。
二段階薬草から増えた、三段階薬草が今摘み取れる程なら、さらにその半分か……。
予想通り、世代を追うごとに段々と、『雑草栽培』による成長速度が緩和されて行っているようだ。
ここまでは予想通できた事だったが、四段階薬草まで行っているのか……。
『雑草栽培』の効果が薄れて行っているのがわかるから、三段階薬草で終わると考えていた。
もしかすると、四段階薬草は三段階薬草から自然に増えた物で、『雑草栽培』の影響はあまりないのかもしれない。
「四段階薬草は、芽を出してからの成長速度は、早くはありません。おそらく、通常の薬草と近いかと思われます。まだ、観察が必要でしょうが……」
「そうですね。段々と『雑草栽培』の影響が減るのであれば、そろそろ影響のない薬草になってもおかしくありません。あ、数の方はどうですか?」
「そうです。ですので、こちらは要観察とし、見守っております。数の方は……三段階薬草より少しだけ少ない程度ですね」
少し少ない程度で済んでるのか……一段階から半分、二段階から半分と来ていたから、こちらも半分かと思ったが、違ったようだ。
これなら、本当にもう『雑草栽培』の影響は少ないのかもしれないな。
「それで、これからが重要なのですが……」
「はい」
今までの事は、報告というだけで話したい事ではなかったらしい。
重要な事とは、一体なんだろう?
「簡易薬草畑としている場所の土なのですが……どうやら、痩せて来ているのは間違いないようです」
「そうですか……」
「周囲に生えていた植物にも、少々影響を及ぼしているようですな。近くの物が枯れておりました」
「土からの養分が、足りなくなってきているのでしょうね」
当然だが、植物は光と水だけがあれば育つのではなく、土から栄養を得て成長する。
『雑草栽培』で作った薬草も、土から栄養を得ているのは間違いない。
どれだけ吸収しているのかはわからないが、数個の薬草をオークから生やした時、死んでしまった事を考えれば、短時間で植物が成長するために必要な栄養は、相当な物だろう。
むしろ、これまで裏庭の土が栄養不足にならなかったのが、不思議なくらいだ。
まぁ、日によって場所を変えたりしてるし、薬草は小さいから、広範囲で一度に栽培する事がなかったおかげなのかもしれないが。
それに、水分も必要だろうから、オーク単体から死ぬまで吸収するのと、土から吸収するのでは、色々違う事もあるんだろうな。
その辺りは、薬草園ができてから、ゆっくり研究できればと考えている。
さすがに、生き物を実験台に使う事はしないがな。
「幸い、無限に薬草が増えると言うわけでもないようですので、これ以上土壌が枯れるような事はなさそうですが、畑を作るのであれば、気を付けなければなりません」
「はい。同じ場所で何度も栽培、というわけにはいかないようですね」
「そうなります。短期間で栽培し、増えるわけですから……区画を決めて、時期をずらしながら、順番に栽培するようにした方が良いでしょう」
一番目の区画で栽培し、数を増やしたら、次に二番目の区画で栽培を開始……というように、一度に全部を使うのではなく、ずらす事で、全ての土を枯れさせるような事を避ける方法だな。
区画の広さや数は、後々に決める必要があるが、栽培をしながら、収穫した場所は肥料をやるなどして、土の状態を保つ事も必要そうだ。
まぁ、土の状態と言うのは、畑を作るうえで重要だからな。
土や気候が合うかどうか……という部分を、『雑草栽培』のおかげで省略できてるだけでも、ありがたい。
「なので、予想よりもさらに、雇う人員を増やした方がいいかもしれません。区画の管理や、栽培の終わった場所での土を世話する者等……タクミ様には、さらに負担になるでしょうが……」
「……そうですね。確かに、考えていたよりもやる事は多そうです。あまり自信はありませんが……」
当初より、さらに雇う人を増やさないといけないらしい。
部下を持った事がないから、自信はほとんどないんだが……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます