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第388話 実戦訓練をする事になりました
第388話 実戦訓練をする事になりました
「ともあれ、タクミ殿達も来たんだ。食事をしながら、詳しい話を聞こう」
「はい。……頂きます」
「頂きます!」
「わかりました」
「そうですわね」
「はーい」
「ワウ!」
「キャゥ!」
既にテーブルには、美味しそうな料理が並んでいた。
俺達が揃った事で、エッケンハルトさんが皆に言って、一斉に食べ始める。
ティルラちゃんとリーザは、レオやシェリーとも一緒に、街であった事を話している。
子供ながらに、楽しい事なんかの共有をしてるんだろう。
リーザが楽しそうだし、ティルラちゃんには感謝だ。
「そうか……そんな事があったのか。タクミ殿が見たという犯人は?」
「今、衛兵が捜索中だそうです。スラムにいるとは特定できているので、すぐに捕まると思います」
衛兵さん達が捜索中だと言うのは、街を出る前に聞いた話だ。
俺達が知っている情報と、騒ぎの後に調べた事で、スラムにいる犯人を、衛兵さん達が探し出し、捕まえる……という事みたいだな。
「タクミ殿、その犯人というのは、やはり?」
「はい。俺とエッケンハルトさんが、リーザを見つけた時にイジメていた数人のうち、一人だと」
「そうか……やはり、スラムでは獣人は良い扱いではないのだな。わかってはいたが……」
「お父様、スラムに関して、何か方策を練る必要があるかと思いますが……?」
「うむ。放っておくつもりはない。まぁ、すぐに改善するのは難しいだろうがな」
スラムの人間が、全て悪い人間というわけではないから、どうにかする事を考えるにしても、難しい問題だ。
リーザのような孤児もいるだろうし、もしかしたら石を投げた犯人もそうなのかもしれない。
仕事が見つからず、まともに生活で来てない人もいるだろうし……俺にはどうしたらいいかまでは、わからないからな。
クレアさんとエッケンハルトさんが話す横で、アンネさんが憤慨した様子で食事をしている。
リーザが石を投げられて怪我をした……という事に怒っているようだ。
随分リーザの事を気に入ってくれたみたいだが、そんなに勢いよく八つ当たりするように食べてたら、ソースとかが綺麗な髪に付いてしまいそうた。
「おぉ、そうだ。タクミ殿、ティルラ」
「どうしましたか?」
「なんですか、お父様?」
クレアさんとの話を一段落させ、急に上機嫌になったエッケンハルトさんが、俺とティルラちゃんに声をかける。
エッケンハルトさんのこの表情……微妙に嫌な予感がしてならない。
ティルラちゃんは、リーザとの会話を中断させ、エッケンハルトさんの方へ顔を向けた。
「ようやくセバスチャンから許可が取れた。数日後にはなるが、二人を連れて、屋敷を出るぞ」
「セバスチャンさんの許可……屋敷を出るって、何処へ行くんですか?」
「ラクトスの街に行くんですか?」
笑顔で、俺達を何処かへ連れて行くと言うエッケンハルトさん。
セバスチャンさんの許可を取る必要があるとは、よっぽどの事のような気はするが……一体どこに?
クレアさんは、この話を知っていたようで、額に手を当てて溜め息を吐いている。
「いや、街じゃない。フェンリルの森だ」
「フェンリルの……また、シルバーフェンリルを探しに行くんですか?」
フェンリルの森に俺達を連れて行く……クレアさんの方を横目で見ながら、首を傾げる。
以前はシェリーを発見して帰って来たが、結局シルバーフェンリルを発見する事はできなかった。
一応、シェリーがいた事で、フェンリルが森にいる事の確認はできたが、また今回も探索に行くという事だろうか?
「いや、探索に行くのではない。二人の鍛錬のためだな」
「鍛錬……」
「うむ。二人の剣の鍛錬は続いているが、ここらで実戦も経験しておくのはどうかとな。まぁ、タクミ殿は既に経験済みだが、それでもいい鍛錬になるだろう。」
「そのための森ですか?」
「あぁ。森にはオークがいるからな。それを見つけ出し、倒す事が今回の目的だ。少し前から考えていたんだが、今日ようやくセバスチャンを説き伏せた」
「……はぁ……ですが、条件として、護衛を連れて行く事。さらに、レオ様が行く事が前提です」
「この通り、あまり乗り気じゃない様子でな? まぁ、レオ様が来てくれれば、危険はほとんどない事が約束されるから、条件に入る事になった。どうだ、来てくれるか?」
森への探索ではなく、今回はオークを倒す事を目的とした鍛錬らしい。
確かに、以前探索した時もオークにはよく遭遇したから、実践を経験するという意味では、近場だし手頃なんだろう。
それに、レオがいればもしもの時も助けに入ってくれるだろう……という考えか。
溜め息を吐くセバスチャンさんは、珍しく疲れた様子を見せている事から、エッケンハルトさんからしつこく説得されたんだろう。
以前、ティルラちゃんが従魔を……と言っていた時、悪巧みをしているように笑っていたのは、もしかしたらこの事を思いついたからかもしれないな。
「でも、どうしていきなりそんな事を? じっくり鍛錬をしてからでもいいんじゃないですか?」
「それも考えたんだがな。だが、私がいつまでもこの屋敷にいて、二人の鍛錬を見てやれるわけではない。さすがに、本邸に帰らねばならんのでな」
「それは、確かに……」
エッケンハルトさんは、公爵様だ。
当然仕事はいっぱいあるだろうし、この屋敷でその全てをこなす事はできないだろう。
というより、例の店の件が片付いてからもずっと屋敷にいて、大丈夫だったんだろうか?
さすがに、仕事を全て放り出してここにいる……という事はないだろうが。
「なのでな、最後というわけではないが、今のうちにできる限りのことをしようと思ったのだ。じっくり鍛錬するよりも、一度でも実戦を経験する方が、上達は早いからな」
「そうですね」
実戦を経験する方が、ただ鍛錬をするよりも上達が早いと言うのは理解できる。
俺自身、自分で経験して実感するところだ。
「タクミ殿がランジ村へ行けば、当然レオ様もついて行くだろう? 今のうちに、ティルラの方の鍛錬を、ある程度進めておきたいのだ」
「私ですか?」
「うむ。タクミ殿はもう既に実戦を経験しているが、ティルラはしていない。私の知らない場所で実戦を経験するような状況には、ならない方がいいが……それなら、まず目の届く場所で経験させてみては、と考えたのだ。レオ様がいなくなれば、護衛しかいなくなるしな……」
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