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第41話 異世界パスタはミートソースでした
第41話 異世界パスタはミートソースでした
「今日のお昼の料理も美味しそうですね」
「ええ。ヘレーナが頑張ったみたいですね」
「お腹が減りました!」
「ワウ!」
皆、テーブルに配膳されたパスタを見て食欲が刺激されてるようだ。
レオのために用意された巨大な皿には平麺ではあるが、食べやすいように麺が巻いてありいくつかに分けられていて食べやすくしてある。
ヘレーナさん、お気遣いありがとうございます。
「では、頂きましょうか」
「頂きます」
「はい!」
「ワフワフ!」
麺には赤いトマトソースがかかっていて、ミンチにされた肉と混ざったソースが平麺によく絡んで美味しい。
ミートソース……確か本来の名前はボロネーゼだったっけ。
確かに美味しいんだけど、ソースが服に付かないように気を付けないと。
染みになって中々取れないんだよな。
「ティルラお嬢様、失礼します」
クレアさんは上手く使ってるが、ティルラちゃんはまだあまり慣れないらしく、さっそくソースを服に付けてしまったようだ。
ライラさんが丁寧に絞った布巾で拭いてあげてる。
しかしこのソースだと、食べやすくしてもらってもレオの口の周りは……。
俺が見たレオの口の周りは真っ赤に染まって、まるで血が付いてるように見えた。
「レオ……後でお風呂に入るぞ」
「ワウ!?」
俺の言葉を聞いたレオが驚いたように鳴いて顔を皿から離した。
いつもは食べるのに夢中で、食事中はほとんど反応しないのに風呂には反応するのか……。
「口の周りを汚し過ぎだ。多少拭いても取れないだろそれ」
「ワウ! ワウワウ!」
抗議の声をあげてるように聞こえるが、それは無視して俺はパスタを食べる。
「レオ様がお風呂に入るんですか? 私も一緒に入ります!」
「いや……さすがにティルラちゃんは……」
俺は男だ、さすがに女の子と一緒にはいるわけにはいかないだろう。
この世界に来て数日で事案を起こすわけには行かない。
「ティルラ、駄目よ。タクミさんは男性の方なの。一緒に入る事は出来ないわ」
「えー、姉様ひどい!」
小さい子とは言え、女の子を俺のような男と一緒に風呂に入れられるわけないよな。
「姉様、駄目なの?」
「駄目に決まっているわよ。男女でお風呂に入るなんて……」
「姉様?」
「……何でもないわ。とにかく一緒にお風呂に入るのは駄目よティルラ。男性と女性が一緒にお風呂に入るのはいけないのよ」
「……そうなんですか?」
……ティルラちゃん、何でそこで俺に聞いてくるんだい?
後ろに控えてるセバスチャンさんやライラさん達メイドさんに聞けばいいのに……。
「……ティルラちゃん。男女で一緒にお風呂に入ると言うのはいけない事なんだ。だから、俺と一緒に入る事は出来ないんだよ」
「そうなのですか……」
ティルラちゃんは諦めた様子で、しょんぼりしながらまたパスタを食べ始める
クレアさんはホッとした息を吐いた後、俺を見てまた顔を赤くした。
クレアさん、何か想像したんだろうか?
「……ワゥ」
風呂に入る事が決まったレオは意気消沈して、今までの勢いを無くしながらもしっかりパスタを食べた。
昼食が終わって、食後の休憩を挟んで満腹のお腹を慣らしてから、俺とレオは屋敷にあるお風呂場へ。
レオの大きな体でも入れる程広い風呂があるっていいなぁ。
日本での自宅だとレオの大きさでは入る事が出来なかっただろう。
むしろ自宅にすら入れないくらいだ。
ライラさんとゲルダさんにタオルを用意してもらい、レオと俺は風呂に向かった。
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