第23話 MOBにもやれる事はある
甥が県下でもかなりレベルの高い大学に合格した
しかも編入試験を受けて
姪っ子も睡眠時間を削って看護大学を目指している
僕に出来る事
せいぜい彼らの人生が幸せに満ちたものである事を祈るだけだ
それに比べ僕の人生
『鬱』に『適応障害』人生に二度、精神病と診断された
唯一の理解者だった妻を自ら遠ざけてしまった
もう普通に働ける自身が無くなってしまい『精神障害者』の申請をした
今は、偶然妹が働いていた事もあり、20年前に働いていた会社に『精神障害者枠』で働かせてもらっている
稼ぎも減った、嫌な上司にちょっと注意されるだけでパニック発作を起こして
自力で運転できず、自宅まで妹に送ってもらう始末
客観的に見ても僕は社会の底辺に転落した
自分の生きざまを振り返る度に感じるが、自分勝手に生きてきたつけが回ってきたのだろう
一度目はギターが救ってくれた
正確にはギターを弾きながら歌うのが楽しかった
だが今はもう弾きたい気持ちが亡くなってしまった
少しずつ元気も取り戻していた矢先だった
今年の2月に母が急死した
こんなにも家族を失うのがつらいとは思わなかった
今までどれだけ大切にしてもらっていたか
今になって気付いてももう遅い
人生に絶望して死ぬ準備までした
ふと同僚がサバゲーの見学に誘ってくれた
正直気が乗らなかったが他にやる事もないので付き合う事にさせてもらった
それからは、サバゲーの事で頭がいっぱいになった
僕は人生に失敗した
この日記をつけるにあたり自分で最弱のゴブリンを名乗った
いやそれどころか誰にも名前すらない覚えてもらえないMOBキャラだろう
そんな僕にもやる事があった
いつまで続けられるか分からない
でも、続けられるまで続けてみようと思う
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