6
「ライカさんが言っていた。助っ人ってシンシアさんだったんですね。なんで教えてくれなかったんですか?」
「ハハ、二人を驚かせたくてね。だから、黙ってたんだ、びっくりしたかい」
ライカさんは笑いながら言った。
まぁ、びっくりしたけど、シンシアさんなら、安心だな。
あっでも、シンシアさんて、ジルコンのギルドマスターだけど、戦えるのか?
「りん君、今、私が戦えるのかって思ったでしょう。こう見えても私、Sランクなんですよ」
なんと!シンシアさんってギルドの受け付けだったり、ギルドマスターだったって事は知ってたけど、冒険者もやってたんだ、知らなかったな
「そうだったんですか、シンシアさんっていろいろな肩書きがあるんですね」
「わたしもびっくりしました。でも、Sランクのシンシアさんが居ればダンジョン攻略は楽になりますね」
確かにナユナの言う通りだな、Sランクのシンシアさんが居るって事は地図のマッピングもお願いできそうだし、迷わず行けそうだな。
「フフフ、確かに私はいろいろな肩書きがありますけど、本業は冒険者なのよ。だからダンジョン攻略も何個かしたことがあるので、どーんと私には任せてください」
シンシアさんは胸を張りながら言った。
おぉ!流石、Sランクだ、頼りにしてますよ、シンシアさん!
「さっきから、気になってたんですけど、りん君、いつも腰に差してた黒金様は、どこに居られるのですか?」
あっそうか、シンシアさんもクロの本当の姿を見てないんだった。
「シンシアさんには、まだ見せてなかっですね。クロの本当の姿を今壁に立てかけてる剣が、クロの本当の姿なんですよ」
最近オーク狩りのおかげで大剣の使い方もなれたし、何よりも攻撃範囲が広がるから、短剣より大剣の方が楽なんだよね。ぶん回せばいいだけだしね。
「おおぉ……これが黒金様の本当の姿なんですね!なんて神々しいお姿なんでしょうか」
シンシアさんは、クロの前で膝をついて祈りようにクロを拝みだした!?
えぇ!どうしてそうなったのシンシアさん、もしかしてシンシアさんって残念なキャラなの?!
「ハハ……二人ともびっくりしただろうけど、シンシアさんってヴェルザンディ教の敬虔な信者なんだ。でもまさか、オレもシンシアさんがこうなるっ思わなかったよ……」
滅多な事じゃ動じなそうな、ライカさんも結構ドン引きしながら、話してくれた。
まぁ、知り合いがこんな風になったら、ちょっとドン引きするよね、と私はナユナをチラッと見ながら思った。
《りん!このエルフ怖いんだけど、何とかしてよ》
突然クロからの抗議が入った。
うーん、クロでも怖い事ってあるんだね、あっでも、女神のお姉ちゃんが怖いってたまに言ってたか。
《クロがやめるように言えば、多分シンシアさんも拝むのはやめると思うよ》
《本当!じゃあ、やめるように言ってみるね》
私が言うより、クロが言った方が効果はあるでしょう。
「何時ぞのエルフの娘よ。我を崇めるのはやめよ」
「はっ!黒金様が私に話してくれた!」
あっ、これダメなやつだ、あとシンシアさん前もクロと話したことがあるじゃん。
「シンシアさん、クロが困ってるので拝むのは、そのへんで終わりにしてください」
《りん、ありがとうね》
私はクロのフォローに回った。
「すみません、私ったら我を忘れてしまって、この前は普通に話せたんですけど、もう一度黒金様とお会いしたら、ついつい興奮してしまいました……あぁでも……これからは一緒に……」
なんかどんどんシンシアさんのイメージが崩れていくな……そしてシンシアさんブツブツ言い出して怖いんだけど。
「話は変わるけど、シンシアさんに急なお願いをしたけど、まさかこんなに早く来るとは思わなかったよ。ギルドの休みを申請するのに、もうちょっとかかるかと思ったよ」
ライカさんが話題を変えてくれた。
ナイスです、ライカさん!
「ライカ!私は数年に一回しかないヴェルザンディ教の白金の神鳥の杖の公開がいつ来てもいいように有休を貯めてたのよ!そして、その貯めた有休がまさか、神武の一つであらせられる黒金様ために使える日がくるなんて夢にも思わなかったわ。これも女神の導きなのね……」
《やっぱり、このエルフ怖いよ……》
あぁ……またシンシアさんが別の世界に行ってしまった。そして、クロがまた怖かってるし……
折角、ライカさんが話題を変えてくれたのに……それにしても、この世界にも有休ってあるんだな……
それよりも、有力な情報もあったぞ!シンシアさんに聞きたいけど、シンシアさんは別の世界行ってるから、ライカさんに聞いてみるか。
「ライカさん、聞きたい事があるんですけど、ヴェルザンディ教の白金の神鳥の杖の公開っていつ頃やるんですか?」
今の所、神武で居場所がわかってるのは白金の神鳥の杖だけたからね。
この情報、もっと詳しく知りたいな、ライカさんが詳しく知ってるといいんだけど。
「オレもそんなに詳しくないから、出来ればシンシアさんに聞いて欲しいんだけど、でも……シンシアさんがいまあんな感じだからね……オレが知ってる情報だと、確か最近のは3年前くらいに公開してたかな、でも杖の公開って周期が決まったないから、次はいつになるか分からないんだよね」
そなのか、公開日時って決まってないんだ……
うーん、公開日時が分かればその時に行ってクロに説得してもらって杖ゲットしたかったんだけどな。
「ちなみにだけど。杖を見に行ける条件ははヴェルザンディ教に入信して、ある程度のお布施をしないとだめなんでよ。あと、いまのりんちゃんの格好だと入信は無理かな、仮面もとれないしね」
あっ、やっぱりだめなんだ……この格好だと……早く進化して仮面がとりたいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます