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「ライカさん!早くレベルが上がる!狩り場知りませんか!!」
私がライカさんの両腕をがっしり掴んで、ライカさんに聞いた。
ライカさんはちょっと引き気味に
「どうしたの?りんちゃん……もしかして、今回のオーク狩りだけじゃあ、進化できなかったの?」
「はい……実は進化するにはレベル250にしないと、進化できなくなったんです……」
「あれ?この前はレベル25にすれば進化できるって言ってなかったけ?」
「今回のオークの巣を殲滅した時にレベル25以上になったんですど、女神の手違いでレベル250にしないと進化できなくなっちゃったみたいなんです!!」
「そっそれは、大変な事になったね」
ライカさんは同情する様な目で私を見ていた。
「うーん……レベル250か……Aランクが討伐する魔物を倒して行けば、250になんとかなれそうだけど、そう言う魔物って中々いないしな……あっ、そうだ!今、カルセドニーの街のダンジョンが活性化してるから、そのダンジョンを攻略してみたら、どうかな?」
うん?!今!ライカさんダンジョンって言わなかった!
もう、1度ちゃんと聞いてみよう。
「あの、ライカさん、今、ダンジョンって言いましたよね!?」
「うん、ダンジョンの中ならレベルの高い魔物がいるから、レベル上げに最適だよ、あと、ダンジョンが活性化してる時に、ダンジョン最深部に行くとオリハルコンとか、アイテムBOXみたいな珍しいレアアイテムが手に入るから、行ってみる価値があるよ」
……やっぱり、ダンジョンって言ってた!!
それに、魔物にもレベルがあるのか……ってそんなことはどうでもいい、それよりもダンジョンだ!
ダンジョンって言ったらファンタジーな世界に来たら1度は行ったみたい場所じゃないか!
私は興奮しながらナユナに
「ナユナ!カルセドニーに行こう!今すぐ行こう!」
「りっりんさん、落ち着いてください」
ナユナは落ち着けって言ってるけど、これは落ち着いてなんて居られないよ。
だって、ダンジョンだよ!ダンジョン!
あぁ、魔法もあるんだから、ダンジョンもあるんじゃないかって思ってたけど。
やっぱり、この世界にあるんだね、ダンジョン!
「ハハ……どうやら、りんちゃんはダンジョンに目がないみたいだね。だけど、りんちゃん!冒険者の先輩からの忠告だけど、ダンジョンは今回の鉱山とは違って、ちゃんと準備しないと行けないし、今回みたいにマッピングを忘れたら、二度と外に出ることが出来ないかもしれない所なんだよ。いくら、りんちゃんが強くてもダンジョンで遭難したら、死ぬことになるかもしれないんだよ」
いつも、チャラい感じのライカさんが真剣にダンジョンは遊び半分で行くのは危険だって事を教えてくれた。
確かに、私はダンジョンと聞いて舞い上がってたわ、そうだよね。
今回の鉱山だってガイ達に会わなかったら、遭難してただろうし、そんな私達が準備もしないでダンジョンに入ったら、確実にダンジョンで遭難死しちゃうだろうから、ライカさんは真剣に教えてくれたんだろうな……ちゃんと反省しないとな。
「……はい、ごめんさい。ダンジョンと聞いて舞い上がってました」
「……まぁ、冒険者だったら、1度は行きたい場所だからね。舞い上がっちゃうのはしょうがないか」
私が反省した事がわかったら、ライカさんはいつもの口調に戻った。
「はい、そうですね。わたしも初めてダンジョンに行った時はりんさんみたいに舞い上がってしまいました。だから、ライカさんが言った通りにちゃんと準備をしてダンジョンに行きましょね」
ナユナでも、ダンジョンに行った時は舞い上がったのか、流石ダンジョン冒険者だったら誰もが、舞い上がっるんだね。
そして、ナユナもダンジョンに行く事を了承してくれた。
「どうやら、二人ともカルセドニーに行く事は決定したみたいだね。ダンジョンに持っていく持ち物はナユナちゃんの空間魔法があるから、大丈夫だとして、二人とも地図のマッピングの仕方わかる?」
地図のマッピングか無理だな、まず地図の見方が分からないからね……
「えっと、私はわからないです」
「苦手ですけど、何とかできます……」
流石、ナユナ苦手でも、できるだけマシだよ。
私なんか、地図の見方がわからないからね。
「ナユナちゃんは一応出来るのか、でも、カルセドニーのダンジョンって初心者向きじゃないからな……オレが行けたら案内できるんだけど」
ダンジョンって初心者用のダンジョンとかあるんだ、流石ファンタジーな世界だな。
「あの初心者用のダンジョンがあるなら、最初にそこのダンジョン行ってみます」
「りんちゃん、初心者用のダンジョンだとオークより弱い魔物しか出ないから、あまりレベルが上がらないと思うよ……あっ、そうだ、ちょうどいい助っ人の人が居るから、その人にダンジョンの案内をしてもらう、ちょっとその人を呼ぶのに3~4日かかるけど、その人が居れば確実に最深部に行けるよ」
初心者用のダンジョンだと、オークより弱い魔物しか居ないのか、それじゃあ行っても意味無いな……
それよりも!ライカさんの知り合いでダンジョンの最深部に確実に行けるって事はめちゃくちゃ強い人なんだろうなってそんな強い人に私の正体がバレたら……即討伐されちゃうじゃん!
「ライカさん……私がその人に正体バレたらやばいんじゃないですか」
「大丈夫、大丈夫、その人にバレてもオレが何とかするから、大丈夫だよ」
ライカさんはヘラヘラ笑いながら言った。
えぇ~ライカさん心配なんですけど。
「とりあえず、その人が来るまで、オークの残党狩りでもしながら、待っててよ、3~4日くらいで、その人来れるからさ」
やっぱり、何だか心配なんだが……
「さてと、結構な時間話しちゃったね。今日は二人とも鉱山に行って疲れてるでしょう。それにもう遅いし二人ともこの部屋に泊まりなよ。オレは別の部屋を借りるから」
「えっ、いいんですか?」
「大丈夫だよ、気にしないでよ。それじゃあ二人とも早く寝るんだよ。おやすみ」
「ライカさん、ありがとうございます。おやすみなさい」
「お言葉に甘えさせてもらいます。ライカさん、おやすみなさい」
ライカさんは私達の挨拶を聞いてから部屋を出ていった。
はあ~、やっぱり、Sランクはお金持ちなんだなと下衆な事を思いながら私は眠りについた。
◆◆◆
ライカさんが紹介してけれる人を待つためにしばらく、私達はガイ達とパーティを組んで残党オークを狩りをしていた。
「そうか、りんたちはカルセドニーのダンジョンに行くのか」
「うん、ライカさんの知り合いが来てからだけどね」
「それはちょっと、寂しくなるわね」
「ガイさん達はしばらくはこの街に居るんですか?」
「あぁ、しばらくはこの街で残党狩りをしてるよ」
オーク狩りの休憩中に私達が近々この街を去る事をガイ達に話した。
そしてその話をした次の日にライカさんの知り合いが来たと言うのでライカさんの部屋に行ったらそこに居たのは……
「りん君、ナユナさん、お久しぶりです」
ライカさんの知り合いはシンシアさんだった!
確かに、シンシアさんだったら、私の正体がバレても安心だね……
だってもう、バレてるんだし!
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