鉱石の街マラカイト2
1
ギルドに帰って来た、私達は早くボスオークを倒した事を報告をする為に受け付けカウンターに行ったら、受け付けカウンターは長蛇の列だった。
「大規模な依頼があると、受け付けカウンターはやっぱり混むな」
困った顔をしてガイがそう言った。
「割り込む訳にも行かないし、オレが並んでおくよ、ガイ達はギルドの食堂で飯でも食べて待ってろよ」
「わかった、アイザックよろしく頼む」
「すみません、アイザックさん、よろしくお願いします」
「じゃあ、並んでくるよ、オレ達の番になったら、呼びに行くから、それじゃあな」
そう言ってアイザックは列に並びに行った、アイザック相変わらず良い奴だな。
「それじゃあ、アイザックが並んでる間に、飯でも食うか……その前にりんは汚れを落とした方がいいかもな」
あっ!やっぱり、相当汚いのか私……まぁ、オークの返り血と想像したくない液体を大量に浴びたしね、私も汚れ落としたかったんだよね。
「そうね、多少の汚れだったら、ギルドの食堂には入れるけど、今のりんの状況だと、食堂には入れてくれないわね」
「やっぱり……そうか」
「ギルドの裏に井戸があるから、そこで汚れを落として来いよ、ほら、俺のタオルで悪いけど、これ持って行けよ」
ガイがそう言うとタオルを渡してくれた、前にアイザックが言ってたけど……本当に、ガイは良い奴なんだな。
「りんさん、服も返り血で汚れてるので、着替えた方いいですね、今日買ったローブに着替えたらいいんじゃないですか」
ナユナはいつものバッグから、今日の朝に買った、ローブを出してくれた。
「新しい服があるなら、それに着替えた方がいいかもな」
「そうね、その方がいいわよ」
とガイとルフラが言った、確かにこのローブの汚れは井戸でちょっと洗っただけじゃとれないしな。
そうだね、井戸で身体を洗って新しい服に着替えるか……
あっ、ちょっと待てよ……よくよく考えてみたら、ギルド裏の井戸でゴブリンが呑気に身体を洗ってる所を冒険者に見つかったら、即討伐じゃん!
「あのさ、裏の井戸で着替えるってことは……裸になるって事だよね、それって誰かに見られたら、犯罪にならない……?」
「「はあ?!」」「あっ!」
ガイとルフラは呆れた顔で私を見て、ナユナは私がゴブリンだと言うことを忘れてた見たいでそれを思い出して私の顔を見た。
「ハハハ、面白いジョーダンだな、俺もアイザックもたまに、裏の井戸で身体を洗うけど、捕まったことなんてないから、大丈夫だから、行ってこいよ」
「ウフフ、そうね、私がガイやアイザックが裏の井戸で全裸になってる所を見たら憲兵を呼ぶけど、子供のりんなら、誰も憲兵なんて呼ばないから大丈夫よ」
どうやら、ガイ達にはジョーダンに聞こえたらしい。
「りん、裏の井戸はこの時間なら、誰も来ないから、安心して行ってこいよ、俺達は食堂で席をとってるから」
「りんさん、私も一緒に行きましょうか?」
「大丈夫、ナユナはガイ達と席とっておいてよ」
なんか、これ以上コソコソとしていると怪しまれそうだし1人で行くか。
それに何よりも早くこの返り血を落としたいしね。
私が外に出ようとした時に
「あれ、りんちゃんじゃない、一人でなにしてるの?」
ジルコンの街に居たはずのライカさんが声をかけてくれた?!
「あれ?!ライカさんジルコンの街にまだ居るのかと思いました」
「あぁ、りんちゃんが教えてくれた情報のおかげで、ジルコンの森の調査は早く終わったんだ、本当、情報ありがとうね、それで今度はここのオーク退治に来たんだ」
「そうだったんですか」
ライカさんは多忙だな、さすが本物のSランク
「それにしても、りんちゃん結構汚れちゃってるね、もしかして、オークと戦って来た後?」
「はい、戦った時に返り血を沢山浴びちゃったので、これから、裏の井戸で汚れを落とそうと思って」
「うーん、汚れを落とすのはいいけど、今、あそこ人がいっぱい居るよ、こういう、大規模依頼の時って、みんな汚れて帰ってくるから、あの井戸に人が殺到するんだのね」
えぇ!?ガイお前、人が居ないって言ってたじゃないか!あの野郎~!
「そう言えば、ナユナちゃんが居ないね、どうしたの?」
「ナユナは鉱山で知り合った人達と食堂で席をとりに行きました」
「そうなんだ、その人たちってりんちゃんの正体知ってるの」
「正体はバレてないんですけど、Sランクと勘違いされてますね」
「アハハ~まぁ、実際にりんちゃんはSランク以上の力があるから間違ってはいないね、だけど……りんちゃん力を使う時は気をつけないとだめだよ……下手をしたら暗殺されちゃうからね」
ライカさんは最初は笑ってたけど最後の方は真剣な声で忠告をしてきたので、ちょっと、怖かったわ。
「そうだ!りんちゃん、返り血を落としたいなら、オレの部屋お風呂があるから、オレの部屋に来なよ」
「えぇ----------------------------------------------------------------------------------------------------!!」
私は人生初の(前世も含めて多分?)男の人の部屋に招待されて思わず大声が出てしまった!
「ごめん、そういう意味じゃないからね」
確かに、冷静に考えてみたら……今は、私男だしそれに、ゴブリンだったわ……
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