詩集

杏衣

Yさんへ

閑散とした駅を出て

目的地まで歩いていると

蝶が飛んでいた


きらきらとした

初めて見る蝶だった


「あの人の好きな色だ」


無意識に考えていた自分を軽く笑い

足を速める


あの人が好きな色

いつしか

私の好きな色になっていた

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詩集 杏衣 @apricot_0121

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