第85話 バスツアーの思い出。
少し前に「手紙」という日記の様な連載を書いていた時に突然思い出した「新巻鮭」という言葉。
小学生くらいの時、母は私や妹をどこかに遊びに連れて行かないと!と思っていたようでした。
私は小学生の高学年、妹は保育園児。
正直、私としては親とどこかに出かけるのは、かなり嫌な頃でした。その上、その頃からインドアでした。日々バレーボールで疲れていましたし。家族で外食するとか苦手でした。姉は既に高校生だったので、家にほとんどいなくて、行くとしたら保育園児でまだ幼い妹と母と私。
私は妹のお世話係として駆り出させる感じでした。
そして、母が選ぶのはいつもバスツアーでした。バスに乗っているだけで、あちこち連れてってくれるのでいいなぁと思っていたんでしょうね。今なら分かるんですけど、保育園児の年頃を連れてバスツアーって私なら行きません。笑
となると、私が必要なわけです。
……ひょっとして、私をどこかに連れて行こうとしてくれていた?とも思えなくもないんですけど、結果私が大変だったので、あまりそうも思えなくて。
私は煮え切らない性格なもので、嫌なら嫌と言えばいいのに「えぇ〜、行きたくはないけど〜」くらいの嫌がり方だったもので、必ず参加せねばなりませんでした。本当は全然行きたくないのだから「行きたくない」ってハッキリ言えば良かったのに。
とにかく、そんな感じであれこれバスツアーに行きました。
みかん狩り、リンゴ狩り、ぶどう狩り、船にてバイキング、梅園を見に行く、等など。
妹を中心に動く旅行だし、喋る人もいないし、私は終始つまらないと思っていた記憶です。
写真を見ても母と妹しか写っていません。何故なら私がカメラマンだったので。
せっかく母が企画してくれたお出かけに、不貞腐れて行くなんて嫌な感じなのですが、本当に嫌で嫌で仕方なかったんです。
せめて姉が来てくれたら姉とわいわいケンカしつつ楽しめたと思うんですが。私は1人で参加している様な気持ちでした。3人なのでバスはいつも1人で座っていましたし。
と、ここまで母と妹と私のバスツアーへの愚痴を書いた訳ですが、そのバスツアーには毎度お土産があるのです。
〜狩りなら、その果物と、お菓子とか。
ある時は、新巻鮭1人1本。私の体半分以上もある新巻鮭とみかん1ネットの時もあったのです。
バスツアーと言っても、家の前までバスで送ってくれる訳はなく……。バスの集合場所で解散です。その為、夜の9時くらいに電車に乗って自宅に帰るのが恒例でした。
結構な満員電車に、大きな新巻鮭とみかん1ネット。しかも妹の分も私が持つ。電車に乗り遅れまいと走った時に、みかんがコロコロとこぼれ落ちるというマンガみたいな事も起きました。今思い出しても辛い。
ちなみに、新巻鮭。
食べた記憶が全然思い出せません。
大体、1人1本って。
大きすぎて匹じゃなくて本ですよ!
なんという大盤振る舞いなんだろうか。
バスツアーは、仲良しの友達とわいわいおしゃべりを楽しみながら行きたいと心から思います。
今の夢は、子育てが落ちついたら友達と旅行に行くこと!!
……でも、近場がいいかな。笑
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