第43話断罪イベントをぶっ壊せ!④



翌日の放課後。集合はカイン宅。


エミリアを招いた。学校は令嬢達の目が怖いからね。




「皆さん本当にすみませんでした」


エミリアはこの家に来てずっと泣いている。


昨日、ジョージの優しい説得で皆に打ち明ける決心をしたそうだ。


「昨日の調べで解った事を報告して欲しい。ルナリーの話は聞いたので他を」


王子は普段よりもとても行動的な気がする。


「生徒会役員は怪しい所はなかった。生徒会長はまだ不明」


ルイスはこっそり後を付けたらしい。




「キャサリンの元友人。主犯だと思います」


クライスが口を開いた。


「あっやっぱり?」


カインが話に入ってきた。


「結構大変でしたよ。9名の署名者の父親の会社を調べてその会社の上層部にうちの生徒が居ないか調べて」


そう言えばカインの目の下には薄らとクマが出来ていて寝不足だろうなと解る。


しかし、本当に皆して仕事が早い。




「キャサリンの元友人に1人元侯爵家ますよね?財閥も我等より規模が小さいですけど。彼女、王子の婚約者候補にいませんでしたか?」


クライスが王子に聞く。


「現状、婚約者が決まっていない財閥令嬢で同じ年。彼女くらいでは?」


カインも同じ人物に目星を付けていた。


なるほど。キャサリンが謹慎処分になって退学処分になれば婚約破棄が有り得る訳でそこを狙って自分が婚約者しようと言う事か!!


「そいつバカじゃねーの?!」


私が叫ぶとクライスとカインは令嬢何てそんなもんなんですと肩を叩いた。




「ライズ家か。現状1番怪しいな」


ルイスが呟く。なるほどあの女ライズって言うのか。


顔色変わらなかった奴だな。




「私、脅されて嘘の署名したって報告します!」


エミリアが泣き止み決意した顔で発言した。


「ありがとうエミリア。あと8人だな」


王子が微笑む。


「でも親父がクビになると困るもんなあ」


そこがネックなんだよなあ。


「あー!そうだ!クライス、ルイス、お前らの家の系列会社にクビになったら入れてやるって保証つけたらどうだ?」


2人は顔を見合わせていた。


「姐さん、それアリかも」


「次の職が用意されてたら話すかもな」




「うちも事務職なら雇えますよ」


とジョージ。


「あー。事務職ならうちも」


とカイン。皆、改めて上流階級なんだなあと思う。




「じゃ、反撃に出ましょうか!」


王子がニヤっと笑った。






翌日からこっそりと署名した生徒の懐柔に奔走する。


皆、罪悪感と今後の保証で何とか8人全員を納得させる事が出来た。




断罪イベントから1週間後。


署名した生徒9名、私達で生徒会室に乗り込んだ。

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