中学時代、いじめられてたときにしていた6つの反抗

 僕は中学時代、いじめられていた。というか、もう迫害だった。廊下を歩けばモーゼの十戒のように道が開き、プリントを配れば受取拒否される。汚物扱いされることもよくあった。迫害していたのは主に女子のほうで、男子は直接イジってくるタイプか、無関心かのいずれかだったように記憶している。


 いじめの原因になったのは、一枚の手紙だった。僕には全く見に覚えが無かったのだが、女子たちが怒り狂っていたことを考えると、気持ちの悪いことが書いてあるラブレターだったのだろうと推測する。


 当時の僕は幼馴染が目の前で自殺したりして、正直恋愛どころではなかった。


 アレコレ反論したけど、結局全部無視。中学生女子が徒党を組み、大義名分まで持ち出すと人の話を全く聞かなくなる。結果、僕は濡れ衣をきせられた。誰かに嵌められた可能性もあるかもしれないけれど、今更どうということでもないよ。


 幼馴染のこともあり精神的に限界を突破しまくっていた当時の僕は、ささやかな反抗に出た。


■反抗1「号令で遊ぶ」

 僕は代表委員だった。文字通りクラスの代表だ。授業を始めるときの号令などが、代表委員の仕事。僕は号令のとき、驚くほど早口にして誰も着いてこられないようにするなどの遊びをした。これが結構、ストレス発散になった。


 号令で遊ばなくても、権力を握ること自体に効力があるかもしれない。自信がつく。


■反抗2「プリントを配らない」

 僕の後ろの席の人がプリントを受け取らなかったので、「要らない」ということだと受け取った。僕は後ろの席の人だけをすっ飛ばし、2つ後ろの席以降の人にプリントを直接配りに行っていた。


 これが何度か続くと、流石に困ると思ったのか、受取拒否は無くなった。


■反抗3「武力を忍ばせる」

 僕はある日を境に、デザインナイフを懐に忍ばせるようになった。結構大きめのデザインナイフだ。ブレザーの内ポケットに入れておくと、不思議と気持ちが楽になる。決して使わないけれど、いざとなれば使えるというだけで強気になれた。


 授業中、先生からは見えないけれど隣の席からは見える位置でナイフを弄ったこともある。すると、僕がナイフを持っているという噂が流れる。


 先生にはなぜか信用されていたから、「ナイフ持ってると噂されている」と言われたとき「持ってないですよ」と言うだけで信じてもらえた。実際は、持っていたけれど。


 これは結構有用な反抗だと思う。


 ただし、決して使ってはいけないけどね。


■反抗4「相手を徹底的に見下す」

 僕は、自分を迫害する相手を徹底的に見下していた。根拠のないことで僕のことを非難し、濡れ衣を着せたのだから。被害を受けた当事者は一人だったはずなのに、女子が徒党を組んで僕一人に対してアレコレ言ってきたのだから。根拠のない噂に踊らされてかわいそうだとか、一人じゃ何もできないんだなとか、そんな感じで見下すんだ。


 相手を見下せば、恐れることは何もなくなった。相手はゴミクズ以下なのだから。


■反抗5「普通の喧嘩で済まされるくらいなら直接反抗してもよし、だと思う」

 ナイフで相手を斬りつければ傷害事件だ。だけど、普通に殴るくらいなら子供の喧嘩として済ませられることがある。もちろん、本当はいけないことだよ。暴行だよ? わかってるよ。だけど男子たちには結構有効だった。直接殴ったことはないけれど、男子たちがイジってくるのはだいたい掃除のときだったから、箒を振り回して威嚇するだけで効果があったんだよ。


 大事なのは、手は出さないこと。手を出すことも視野に入れながら、威嚇で済ませること。


 あ……だけど、一度だけ、机を蹴飛ばしたことあった気がする。


■反抗6「給食当番をサボる」

 僕はよく、給食当番をサボっていた。これは善意だった。汚物扱いしている人間に給仕されたくないだろうと思い、図書室などで時間を潰していた。たまにちゃんと運んでも、蓋のついた瓶の牛乳だけ。


 だけどあいつら、普通に僕が汁物よそっても食べるんだよ。都合がいいよね。


 中途半端かよ。汚物扱いするなら徹底しろよ。そう思ってた。



■結局さ…

 人をいじめる奴って、半端なんだよね。自分に都合の悪いときだけ、いじめが無かったかのように振る舞ったりさ。そんな半端な奴らのやることに、いちいち腹を立てたり落ち込んだりしていられないと思う。


 権力を持て! 大人たち強者に信用されるよう振る舞え! そして、ささやかに反抗しようぜ! 先生に信用されていたら、多少のことは大目に見てもらえるさ。

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