手料理に弱すぎる

 僕には、弱点がある。


 いやまあ、弱点ありまくりなんだけどね? 弱点だらけなんだけどさ。中でも特に弱いのが……。


 手料理。


 心のこもった手料理なんて食べた日には泣いちゃう。


 一度、泣いたことがある。京都に住んでいたとき一時期付き合っていた人が、付き合う前に風邪を引いた僕に味噌汁を作ってくれた。味噌汁に「日本酒」が入ってて、すごく深みがあっておいしかった。料理酒じゃないんだよ、飲んでもおいしい日本酒なんだよ。おいしいんだ。初体験だった。


 結果、なんか知らんけど泣いちゃった。


 味見で泣いちゃった。


 一人暮らしをしてると、誰かの手料理なんて食べる機会ないからね。それも自分の為だけに作ってくれた手料理なんて、絶対に食べられない。どんな美食よりも、価値のある食事だと思う。


 今も、たぶん、僕が好きだと思っている人や気にいっている人にて料理を作られたら泣いてしまうと思う。いや、確実に泣く。号泣する。


 手料理、食べたい。

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