リス

勝利だギューちゃん

第1話

「何を描いてるの?」


クラスに絵を描くのが好きな男の子がいる。

私それを、覗かせてもらった。


何を聞いても答えずに、ひたすらペンを走らせている。


正直、上手いとは言えない。

でも、何とも味わいのあるテイストがあり、私はそれが、好きだ。


そう・・・

まるで無垢な子供が、素直に描いたような・・・

そんな感じがする。


「ねえ、今度私の絵を描いてよ」

半分冗談で、半分本気だった。


彼には、私がどう見えるのか、見てみたかった。


彼は、黙って頷いた。


翌日、彼のほうから珍しく声をかけてきた。


「どうしたの?」

彼は、封筒を差し出した。

A4サイズだろうか・・・


「何?これ・・・」

「描いてこいって、言ったでしょ」

それだけ言うと、彼は去って行った・・・


本当に描いてきてくれたんだ。


嬉しさと同時に、驚きがあった。


開けてみる。


そこには、リスのコスプレ?をした、私の絵があった。

私のために、時間をさいて描いてきてくれたのは、嬉しかった。


嬉しかったのだが・・・

なぜ、リス?


お友達に、訊いてみた。


「確かに。あんたはリスだよ。彼は、よくわかってるね」

「そうだ。お前はリスだよ」


口を揃えて、そういった。


家族にも訊いてみた。

「うん。あんたはリスだ」


家族までもがそういう・・・


私はわからなかった・・・

なぜ、リスなのか?


誰か、教えて・・

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リス 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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