人嫌い、お宅訪問

「…来た来た。」


「おや高山くん。来るとは以外だよ…いや姫野くんが連れてきたのか。」


「ま、まあ自主的には来ないよね。」


「久しぶり。」


「いや来るつもりあったよ?彼女は監視役として、雇われた人さ。」


「みゃー。」


「だそうよ。」


「…怪しい。」


「まあ来てくれたんだ。そこを喜び、楽しもうじゃないか!」


「きょ、今日は宿題の山だけどね。」


「同じく。」


「ちゃんとやりなさいよ。」


「まあ頑張ってね。僕は聞かれたら答える、その程度の存在だから。」


「みゃー。」


ひとまず集まった六人と一匹で麗華家へ向かう。そこは2階建ての立派な一軒家だった。


「…どうぞ。」


「お、お邪魔します。」


「失礼する。」


「ども。」


「お邪魔するわ。」


「帰りたいな。」


「みゃー。」


「…リビングで…やるから…まっすぐね。」


そう言うと麗華は2階へ、おそらく自分の部屋から道具を持ってくるのだろう。言われた通りリビングに来た秀人たちは、思い思いの席に座った。


「い、椅子が多いね。」


「確かに。麗華くんの家族が何人かは知らないが…用意してくれたのだろう。」


「優しい。」


「まあ来て床に座れだったら、即帰るよね。」


「みゃー。」


「それはあなただけと思うわ。普通四人家族なら、4席だけ用意するはずよ。」


「…お待たせ。」



「君の家は大家族だね。」


「…親戚での…集まりが…多いから。」


「そ、それなら疑問解決だね。」


「わざわざすまないな麗華くん。」


「大変。」


「…誘ったのは…私だから。」


「次があったら手伝うわ。」


「次があればね。」


「みゃー。」


「さ、早速聞きたいんだけど…」


「では、私が担当しよう。」


「英語。」


「どこが分からないの?」


「全て。」


「…文法がめちゃくちゃよ。」


「…秀人…これよろ。」


「え、僕もやるわけ?」


「…答え合わせ。」


「はあ、仕方ない。」


「みゃー。」


各自得意教科を教えながら、それぞれの宿題を終わらせていく。どれくらいたったか、インターホンが鳴ったと思えば大山がやって来た。


「お邪魔します!」


「…おは。」


「おお生山くん。」


「お、終わった…」


「難しい。」


「組み方さえ分かれば、後は当てはめるだけよ。」


「あれ来たんだ。」


「みゃー。」


「おお先生!海以来ですね!」


「そうですね。」


「…大山は…終わってる?」


「とりあえずですが!正解かどうかは分かりませんが!」


「それなら高山くんの所がいいだろう。」


「答え合わせ。」


「もう終わった人は、彼のところで確認してるところよ。」


「なるほど!では先生、自分もお願いします!」


「はいはい、仕事はこなすよ。」


秀人は自分の解答と他人の解答、それらを見比べ明らかな間違いを指摘する役割だった。


「これとこれと…はい、考え直したら?」


「ありがとうございます!」


「どれ…そうだな。生山くん、そこは解き方が違うんだ。」


「ぼ、僕のは平気そうかな?」


「良いんじゃないの。」


「ま、まあ×が少なくなればいいや。」


「以外と仕事するのね。」


「君には教えよう。僕も、雇われた側なのさ。」


「…なるほどね。」


「報酬?」


「いたんだ。僕は今日の業務を終えれば、図書券が貰えるわけさ。」


「納得。」


「…お疲れ様…休憩。」


「もうおやつ時間ですね!」


「きゅ、休憩は必要だね。」


「根を詰めすぎても悪い、休みも必要だな。」


「お菓子。」


「一杯いただくわ。」


「はいタマ、おやつ。」


「みゃー。」


休憩中は宿題を忘れ、世間話が行われた。この前の海バイト収入をどうしたのか、今度の林が参加するボクシングはどうやって行くのか等。


「隣町。」


「な、なかなか距離があるね。」


「ここら辺に会場となれる、そんな場所はないからな。」


「…痛くない?」


「痛いと思いますよ!」


「殴られて痛くないなんて、それは人間じゃないと思うけど。」


「みゃー。」


「頑張る。」


「…応援も…頑張るね。」


「自分も精一杯やります!」


「そうだな…弁当を用意しよう。勝った後は空腹だろうし、任せてくれ。」


「か、勝つこと前提なんだね…格闘技を生で見るのは初めてだよ。」


「見れる機会も少ないし、楽しみにしてるわ。」


「みんな盛り上がってるね。」


「みゃー。」


「来る?」


「暇潰しにはなりそうだけどね。」


「…任せて…連れてく。」


「先生は自分等がなんとかします!」


「髙山くんのことだ、当日音信不通も考えられる。」


「ほ、本当にやりそうだね。」


「諦めて来るって選択肢、今の内に考えたら?」


「…はあ。」


「みゃー。」


休憩も終わり、残った宿題を片付けた秀人たちだった。

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