第54話 重いと思い

「元町・中華街! キター!!!!!!!」

 望と希の大声で叫んで登場するのも慣れてきた。

「いい加減、オープニングトークもテンプレにしてくれ。」

「そうそう、毎回同じなんだから。」

 JRSの目覚ましとホープは、出番よりも効率を優先する。

「いらっしゃいませ! 元町・中華街へ!」

「よろしく! 駅娘!」

 いつものように駅娘が望たちを出迎える。

「前と後ろのテンプレだけで300字は稼げるな。」

 それでは本題に入ろう。

「キャラクター形成は、非常に時間がかかる。キャラクターの絵や風景画を描く人は大変だろう。アニメーション制作会社の方々に、感謝。」

「次は、アビリティーを考えよう。最近は、天使と悪魔のような単純なギャップモノがウケているらしい。」

「ヤクザなのに、警察を呼ぶとか面白そうだな。」

「そんな感じの女教師いたよな。」

「昔、四文字熟語が拳法を書いたような記憶がある。そのノリで考えると「知らなかったのか? 英語は、魔法だ!」的な、ニューヒーローが誕生する。神父? 魔法使いでも通用するな。」

「国語と英語はできた。次は数学か? 数学は、ガリレオ的に問題を解決する力。理科、科学、物理は、科学力。社会、歴史は、知識力。科目だけで戦えるか?」

「できなくはないが、かなり脱線したキャラクターになるんだろうな。」

「アビリティー設定で、物語は決まると言ってもいい。」

「でも、こうやって思いついたのを後から足して、引けばいいのよね。」

 それもプログラミングの修正と同じである。

「聞いたか!? あいつら俺たちを消すつもりだ!?」

「酷い! あんまりです! 大量に発注された私たちのおもちゃはどうしてくれるんですか!?」

 JRSの目覚ましとホープは、出番が激減していることを心配していた。

「分かりやすく、現代ドラマで考えると、主人公は最強。毎回ゲストで弱いキャラクターを登場させる。弱いゲストのピンチを、主人公が救う。それが定番である。」

「毎回のゲストか。面倒臭いから、過去キャラで済ませよう。できるだけ。」

「でも、もしゲストの弱い部分を描くとなると、それだけで一話の容量を大きく超えそうでもある。重いは重い。」

「そろそろフィニッシュ・タイムね。」

「またな。」

 望たちは、元町・中華街を歩く、さまよえる元町・中華街人レベル15になってしまった住民・観光客を狩りに行く。

「さまよえる元町・中華街人レベル15! 突破!」

 望たちは、さまよえる元町・中華街人レベル15を倒した。

「やったー! 合格だ!」

 望たちは、LAWS国家試験4次を合格した。

 つづく。

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