第46話 空に侵入

「ようこそ! 新整備場駅へ!」

「よろしく! 駅娘!」

 望たちは、9番目の新整備場駅に着いた。

「お、降りれない!?」

「翼が引っかかっているのよ!?」

 天空の鎧の翼は、東京モノレールの車両の出入り口に毎回、引っかかる。

「それでは駅クエストの発表です! さまよえる新整備場人レベル300を倒してもらいます!」

「300!? インフレしすぎだろ!?」

「一度にレベル200も上げるなんて、AIも暴挙よ!」

 望たちは、レベル300のさまよえる新整備場人と戦うことになった。問題は、自分たちの天空シリーズの装備がレベル300を上回っているか、どうかである。


「ワッハッハー! どうだ? 驚いているだろう! いきなりレベル300だからな! ワッハッハー!」

 LAWS国家試験の試験管たちは、望たちの驚く顔を見て楽しそうに笑っている。

「それにしても、さまよえる人々の正体はなんなんだろう?」

「あれはAIロボットに改造された人間、改造人間だ!」

「改造人間!?」

「元は住民か、観光客だ。東京で人に出会うのは楽だが、田舎や過疎地、限界集落の駅クエストで、さまよえる過疎地人レベル1を倒せとか、住民の出現率を考えると、第1さまよえる限界集落人レベル1に出会うのは至難の業だな。」

「メタルを超える低出現率ということですね。ニコッ。」

「その通り! エッヘン。」

 和やかなLAWS国家試験の試験管たちだった。


「天空斬り!」

「ガオー!?」

 望たちは、さまよえる新整備場人レベル300を倒した。

「これで後は、羽田空港第1ビル駅と第2ビル駅だな。」

「レベル300が相手でも倒せるんだから、よっぽど強いのね。天空シリーズの装備は。」

「神様、ありがとう。」

 望と希のレベルは30くらい。それでも、さまよえる新整備場人レベル300に勝てたのは、天空神から貰った、天空シリーズの装備品のおかげである。

「最終決戦だ! 羽田空港に突入だ!」

「飛行場なら飛空艇だってあるはず! 飛行艇を1機くらい奪っても罪にはなるまい!」

 窃盗は、犯罪です。望たちは、東京モノレールに乗り込み、最終決戦の地、羽田空港に乗り込むのである。今更であるが、もし羽田空港という名前を使ってはいけないのであれば、新・羽田空港という名称にしておこう。

 LAWS国家試験3次。東京モノレール編。10時に開始してから10時間が経過。現在20時。残り時間は、1時間。羽田空港までの残り駅は2駅であった。 

 つづく。

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