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「もう十二時だよ。今夜はこの辺で終わりにしない? 髪型は当日、楽しみにしてる。超アートなやつ」
三上は笑いながら、飲み干した缶をゴミ箱に捨てた。諸星は私をずっと目で追っている。
なんか……。
妖しい視線だな。
「類、明日から捺希と一緒に出勤しろ。開店前の清掃と準備、いいな」
「はい」
「制服は錦折用にオーダーしたものを取り敢えず着用しろ。類の制服は人事部に手配中だ。それと、人事担当者によると、商品部本間部長が、錦折の異動を認めないそうだ」
「うわ、あの本間部長に捕まったのか。錦折はもうこっちの世界には戻れねぇかもな」
香坂の言葉に諸星がクスリと笑った。
「捺希さん、本間部長って?」
「
なるほど……。
錦折塁は飛んで火に入る夏の虫だったみたいだね。
すでに丸焦げとか?
もうbeautiful magicは愚か、ヘアメイクアーティストとして返り咲くことも出来ないかも。
「ということで、類、明日から頼むぞ」
「……あっ、ハイ。頑張ります」
「頑張り過ぎなくていい」
……っ、どう言う意味よ?
「……はい。頑張りません」
初っ端から、やる気失せる。
「類、明日から宜しくね」
「捺希さん、宜しくお願いします」
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