捜索:金曜日
結局その晩、不死川の足取りは全く掴めなかった。
身体的、精神的疲れからかカンナはげっそりしていた。
「カンナちゃん、大丈夫よ。きっと見つかるって」
黙ってこくりと頷くカンナ。
「……明日も、捜そ? 夕方から、ね?」
佑紀乃とメガネちゃんもうなずいた。
「分かった。明日は用事ないから大丈夫」
「わたしも夕方までに課題を済ませるよう頑張ってみます」
3人は座り込んでいるパーマンを見た。
ニコマートのチキンバーをかじっている。
「ごふぇ?」
口の中のチキンが思わず吐き出そうになる。
「……俺は、明日はさすがに無理。予備校の授業あっから」
カンナが涙を浮かべた獣のような目で睨んだ。
「分かった分かった、終わったらすぐ向かうから」
一瞬でニコっとした笑顔に変わった。
「さっすが! パーマン、じゃあ明日も7時にニコマート集合ね!」
そのままその晩は解散となった。
——いや、もういいんじゃないっすか? 兄さんのことは……
一人パーマンはそんなことを考えながら、手についた油を舐めていた。
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