第144話 まだ帰らない。

真昼はぬいぐるみをゲットしたことが相当嬉しかったのだろう。


ずっと抱きしめていた。


アトラクションを乗る時もだ。


ちょっとあのぬいぐるみが羨ましいと思ってしまった。俺も……って!そんな変なことは考えるな!変態か?!うーん、最近は変態になってるな。



俺たちはそのまま、日が暗くなってくる時まで遊んだ。時間は5時半。


そろそろ帰るかな。


「真昼、そろそろ帰るか?」


「……うん、そうだね……。帰ろっか」


わかりやすくテンションが下がった。子供か?!


俺たちは出口へと向かう。


そんな時だった。近くにいた人が何やら話をしていた。かなり大きな声だったので、俺は普通にその話が耳に入った。


「今日、花火あるんだよな?!」


「らしいな!今日はなんか開園記念日らしぞ。それで、7時から花火が打ち上げられるらしい」


「へー、どうせ来たんだし、見ようぜ。まだ1時間以上時間あるけど」


2人の男性がそう言ってどこかへ行ってしまった。


隣を見ると目があった。キラキラしてる。


「ねえ、京くん!」


「はい」


言いたいことは完璧にわかる。『私たちも花火、行こうよ』とかだろ。


「私たちも花火行こうよ!」


うお!すげえ!一言一句同じだった。俺って実はすごいのかも!


「いいぞ」


「やったー!ありがとう京くん!」


飛び跳ねて喜ぶ。


いや、俺感謝されるようなことは何もしてないんですけど……。もし、感謝するなら、ここの運営さん達にだな。


それよりも、高校生にもなって飛び跳ねますかね……。ちょっと高校生には見えない……。


「それじゃあ、7時まで後1時間ぐらい遊ぶか」


「うん!行こー!」


テンション上がりすぎだろ。でも、こんな真昼が可愛くて仕方がなかった。


なんだろう……。こんな可愛い妹が欲しかった。


めちゃくちゃ頭とか撫でたい。頭わしゃわしゃしたい。あれ?これって、犬にすることに似ている気が……。


まあいいか、可愛いと言うことには変わりないし。



そして、俺たちはそのあと、もう1時間ほど遊んだのだった。


「よし、そろそろ花火行くか」


「うん!」


俺たちは花火会場へ向かった。


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