第33話 お米

学校を出た俺たちはスーパーへ向かった。


「んー、今日のご飯は何にする?」


「まぁ、なんでも美味しいだろうから、俺たちはなんでいいんだけどな」


隣で真昼もウンウンと頷く。


「そうだなー、それじゃあチャーハンとかはどうかな?」


「おお!いいんじゃね。めっちゃ美味しそう」


またしても隣で真昼は頷く。


「それじゃあ、チャーハンで決定ね、それとチャーハン、いや、ご飯系の料理を作るなら、炊飯器を買ったほうがいいと思うんだよね。毎回毎回サイトウのご飯買ってたらもったいないし」


「まぁ、俺たちにはわからんが、来未が言うならそうなんだろう。従うぜ!師匠!」


真昼は何のかわからないがこいつの弟子だ。


そして今、勝手に俺が決めたことだが、俺は料理の弟子になろう。


「それじゃあ決定ね。それで、京くんとまっひーはお金持ってる?炊飯器って高校生には結構高い金額だと思うんだけど…」


「それなら一回帰ろう、俺2000円ぐらいしか持ってないし」


「あ、でも先にスーパーで買い物終わらせてから帰ろうよ、炊飯器結構重たいから」


「了解」


そして、俺たちはスーパーの中に入る。


「それじゃあ、お米は最後にして、まずは違うものから買おっか」


そう言って一ノ瀬は先導してくれる。


やはり頼りになる。


そして、小ねぎ、卵、しょうゆなどの米以外のものを買った。


「それじゃあ最後に…、京くん!お米取ってきてー!」


俺は一ノ瀬に頼まれたので、米を取りに行く。


流石に知ってる。


米はとても重たいことを。


俺は5キロの米を取り、持ち上げ…


重てーーーー!


えっ!米ってこんなに重たいの?でも、マイマザーなんて軽々と持ってたような…。


まじマイマザー尊敬っすわ。


俺はとても重たい米を持ち、足がプルプルと震えながら持っていく。


「あはははー、何してんの?もしかして…そんな5キロ程度で重たいと思ってるの?」


一ノ瀬が俺をバカにしてきた。


「いやいや、そんなわけねーだろ、こんなもん軽いぞ。それと、来未もそんなこと言って持ったら足がプルプルするくせに、ほら、持ってみ」


そう言って、俺は一ノ瀬に持っていた米を渡した。


え?なんだか様子がおかしいな…。


一ノ瀬が本当に軽々お米を持っているんですが?!


「え?重く…ないの…?」


「うん。これぐらい大丈夫だよ。京くんは!重かったようだけど…?」


「お、重くないし」


「それなら、はい!これを京くんの部屋までよろしくね」


そう言って再び俺にパス。


俺の足ではプルプル病が再発症。


「え?まじ?」


「うん。あ、もし京くんがここで土下座して、大声で、「来未様ー、もしよろしけばこの米を持って行ってくださいませんか、お願いしますー!」って言うか、私に借りを作るかだね」


わかってたけど腹黒だ。


その理由なら俺は後者をとるしかないのだ。


しかし、借りという言葉をなめていてはいけない。


どんなことでも聞かないといけないんだ。


前者は社会的に俺は死ぬ。


もしここにこいつら以外に同級生がいたらどうする?明日学校ではお祭り騒ぎだな。


「だ、大丈夫だし」


「それじゃあよろしくね」


こうして、買う商品をレジへ持って行き、購入を終えたら俺は米を担ぐ。


一ノ瀬なんかに負けるか!


俺たちはスーパーを出…


「すいません、来未様、借りの方向でお願い致します」


10メートルほど歩いただけだが、俺の足はもうもたないと判断し、一ノ瀬へと頼む。


「それじゃあ借り2つということで、さっきは意地張ってたから」


「わ、わかった。それでいいから」


もー、何話してるかもわからない。


俺は米を一ノ瀬に渡す。


でも一ノ瀬はなんかニヤニヤしてる。


なんか仕掛けられたのか?!


分からん。


まぁ、いっか。


「ひとまず京くんの部屋まで帰ろっか、荷物も多いし」


一ノ瀬が先導し、その後に俺たちがついていく。


一度家に帰り、冷蔵庫に入れるもの入れ、俺と真昼はお金も補充して、再び部屋を出る。


真昼もついでだし、炊飯器を買うことになった。


俺たちはコーマンに向かう。


さすがにここでは迷うことはなく、炊飯器を、俺はフライパンも買った。


やっと終わった。


これが毎日続くのか。


なんだかこれから疲れそうだな。


部屋に帰ると、まずは炊飯器でご飯を炊く。


俺は米を研ぐ。


あぁ、言っておくと、今日のご飯当番は俺になった。


まぁ、これはそこまで難しいわけでもなく、終わらせる。


そして、炊飯器の釜に米を移し、水を注ぎ、スイッチオン!


よーしこれでお米を炊く作業終了!

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