小さな灯を灯したクリスマス

作者 闇野ゆかい

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★★ Very Good!!

この話は香織視点で書かれおり、彼女からすれば、藤崎君にフラれたとはいえ、寂しい魂を建部君に癒してもらえた、ロマンチックな夜ということになります。しかし視点を建部君に移してみると、この話はより一層深みを増します。香織は作中で‪“クリスマス当日の今日は一緒に過ごしたかったよ”‬と発言していますが、これは香織に限らず誰もが共通して持つ思いです――もちろん建部君も。そんな建部君が45分で香織のもとに駆けつけ、一緒に夜を過ごしてあげたというところに味わい深いものを感じます。建部君にとって、「彼氏と別れて寂しいから呼ばれただけ」だったとしても、それは最後の彼の言葉からわかるように、切なくも幸せな夜だったのかもしれません。そしてそのような「香織にキープされている」建部君、という構図を照らすクリスマスの灯りは、それだけでドラマチックであると思います。