第五章 第十一話

「ただいま戻りましたぁ~」

「おおお!いい時に帰ってきた!お帰り!って、そのお嬢さんは?」

「あぁ、こいつは極一うららっていって監禁されてたんで、助けてきました!これから力をかしてくれますよ!」

 うららを石川さんの前に差し出した。

「極一うららです。マスターとともに頑張ります!」

「マスター!僕のことをマスターだなんてそんなぁ~」

「違います!マスターは四条柊人さんです!」

「あっ、そっか~まぁよろしくねぇ~」

 そのやり取りをみて、良子さんが大爆笑する。真白から、すごい目で睨まれているのは見なかったことにしよう。

 石川さんの勘違いもなかなかいいところだ……

「で、いいところってのは?」

「あぁ!そうそう!シリウス君の研究でね!新たに分かったことがあるんだ!みんなをあつめてくれないかな?」

「了解です」


 シルフも施設が広いので、みんなを集めるのに一時間位かかってしまった。あと広い以外にも、自由人が多すぎて、どこにいるかわからないってのもあるけどね……

「さてと、みんな集まってくれてありがとう。さっきシリウス君の研究で新たに発見したことがあるんだ。ではシリウス君お願いします」

「分かりました。え~とみなさん、僕が星を司る少年というのは知っていると思いますが、先ほど天界を覗いているときに、ある記述を発見したんですよ。で、そこには色々書いてたんですけどその中に

『シエナに新たな命宿されり神の新造であるこれによる影響は地界にも及ぶ』

って、あるんですよね。要約すると、シエナに子供ができて、その子供がこの事件を引き起こすトリガーになったのではないか……ということです」

 なるほど、すごく納得のいく文章だ。

 だも、俺には1つの疑問が出てきた。

「なぁ。じゃあなんでゼラはそれをしってたんだ」

「おそらく彼も天文学系の能力を得ていたんじゃないんでしょうか……」

「なるほど……」

 でも、これが分かったからって解決するわけじゃない。

 さっきも人質解放に向かったが、世界が元に戻る保険の方はまだなにもわかっていない。これってもしかして、保険なしの一発勝負でミスったら、メタ二さんの言ってた使いたくない最終手段つかうしかないのか……

 そんなのはなんとしてでも防がないと!


 研究結果報告会から3時間くらいたった夜。

 今日から関係者は全員シルフ本部にて寝泊りをすることになった。

 そして、俺はみんなより少し遅くベッドへと向かった。

 指定された部屋は6104応接室。

そう。確かに俺は6104応接室に入ったんだ。

 するとそこには裸のうららがいた。

「うらら!なにしてるんだ!」

「マスターにはご奉仕しなさいって、社長に教わったから」

「そんなことしなくていい!!はやく服をきろ!」

「でも……」

「いいから早く服を着ろ!!」

 一体波間真仁はこんないたいけな少女――幼女になにをさせていたんだ……あぁ!もう考えたくもない!!

「で、部屋へ戻れ!お前の部屋は6102だろうが!はい!隣のとなり!はいどーぞ!」

「でも、部屋には……」

「部屋がどうしたんだ?」


 うららが部屋にいけばわかるというので付いて行ってみた。

 すると、そこには巨乳眼鏡ことメアリーさんがいた。

「メアリーさん。あなたの部屋はここじゃないでしょ!」

「……四条様ぁ?んぁ~」

 タオルケットがめくれた。なんと、メアリーは下着で寝ていたのだ。

 黒のレース、これはこれで……じゃなくて!なんて破廉恥な恰好なんだ!だめだこりゃ……

「うらら。今日は俺の部屋で寝ていいぞ」

「ほんと!やったぁ!!」

「でも、変なことはするなよ?」

「もちろんです!」

「うむ、よろしい」

 そして、俺たちは6104応接室へ戻った。


 地下で窓もないため朝という実感がわきにくいが一応朝になった。

 結局、よく眠れなかった。寝ようとすると、うららが抱き着いてくるのだ。なかなか天国だが、寝れないのは困りものだ。まぁ今晩だけだからいいか……


 司令部にて

「おはようございま~す」

「……」

「って誰もいないんかぁぁっぁぁああいい!!」

 昨日のミーティングで、明日は8時に司令部集合ね!って、石川さんに言われたからぴったり8時にきたのに誰もいねぇ……

ほんとに大丈夫かよ……

良かった。五分前行動とかしなくて。

取り敢えず、みんなを起こしに行くかぁ。


 司令部からみんなの寝ている応接室エリアまで30分かかることを思いだし、一人で不気味に笑ってしまった。


 そんなこんなで、現在10時。

やっと全員が司令部へと集まった。

未だパジャマな人がいるのは見なかったことにする。


「みなさんおはようございます」

 一番眠そうな石川さんが朝の挨拶をする。

「「おあようござぁいやーす」」

 うわぁ。まじでみんな眠そうだな……ほんとなにしてんだか……

「今日は特にやることないので、各自研究に励んでください」

「「あ~い」」

「ではおやすみ~じゃなくて解散」

「「あ~い」」

 てな訳で朝礼終了。

 適当にも、ほどがある!!!

「みんなおきろぉおおおおおおおおおおおお!」

 スピーカ越しに叫ぶ。

「「「ふぃえええええええええ!」」」

 みんな驚いて起きたようだ。

 やれやれ。これでやっと作業再開できそうだな。

 さてと……あれ?でも今日ほんとにやることなくね??

 作戦決行までやることないなぁ……

 とりあえず……

「メルディアさん、エルシスちゃん、メアリーさん付いてきてくれますか?山峰さんのところに行くので」

「いよ~」

 30分かけて山峰さんのいる応接室へ向かった。

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