涙カウンセリング

作者 織田崇滉

20

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★★★ Excellent!!!

 名に意味を込め、想いを込め、そこに春は在り、花は咲き、桜散る。
 だが、徒花であろうか。
 人の想いが、願いを込めても、叶わず、交わらず、失われる、悲劇である。

 潔く、救いの手を差し出す者。

 泥に浸かるような深い闇に落ちそうになる、ともすれば、そんな事件である。
 そこから引きずり出す、水の一滴、そう、涙のような。

 重く引きずらない読後の波紋は、そのキャラクター性による救いなのだろうか。
 兄を想う、不治の美しさも健在。
 事件の澱みに、清涼さを感じさせてくれる軽快さも、また魅力のひとつだ。

★★★ Excellent!!!

心理学を駆使して謎解きをする、湯島兄妹が短編で復活しました!
久しぶりにふたりに出会えて、テンションが上がりました。

ナミダお兄ちゃんのかっこよさは健在ですし、ルイちゃんも明るくて相変わらずの可愛さですよ。
お兄ちゃんのかっこよさは、私、結構語れます。(未読の方はぜひ同シリーズを読んで下さいね。笑)

さて、今回はスクールカウンセラーをしているお兄ちゃんのところへ、キヨシ君という悩める生徒がやってきます。
失恋したうえに、その女性の死体を発見してしまうというトラウマな事件。

二転三転するストーリーにワクワクし、犯人の動機や推理、こだわりの謎解きに驚愕間違いなしです。
事件は人の心が起こす。すべての謎は心理学で解き明かせる。

ミステリーの才能と鋭い感性を兼ね備えた、こちらの作家さんに安心して身を委ねてみて下さい。
キミは絶対に騙される!

★★★ Excellent!!!

みなさんはスクール・カウンセラーをご存知でしょうか。
「知っているけれど、学校で利用したことがないからあまり馴染みがない」という方もいるかも知れません。
でも、アメリカの学校では生徒の進路指導をスクール・カウンセラーが担当するなど、とても重要な役割を果たしています。いずれ日本でもスクール・カウンセラーの学校内における重要度は増してくるはずです。

今作品では、そんなスクール・カウンセラーが生徒のお悩みを解決するために心理学を駆使して探偵をやっちゃう……というなかなか奇抜なお話になっています。

相談者は、男子高校生のキヨシ君。
彼は、好きな女の子に告白して玉砕した翌日に彼女の死体を発見してしまう、という超ショッキングな体験をしてしまいました。
養護教諭のルイちゃん先生(←めっちゃ可愛い! ここ重要!!)の勧めで、キヨシ君はスクール・カウンセラーのナミダ先生に相談するのですが……。

「なるほど! よくある恋の話だね、ありがちありがち」

いやいやいや!! 告白した女の子が翌日に死んじゃうとか、フツーないから!!(汗)
このスクール・カウンセラー、本当に相談者を癒す気あるの!!??

キヨシ君はもちろん激おこ。ナミダ先生に対して疑心を抱きます。

しかーーーし!!
この一風変わったスクール・カウンセラーのナミダ先生が、様々な心理学を駆使して彼女の死の真相を突き止めて、キヨシ君の悩みを解決してくれるのだから驚きです。(心理学と言っても、作中で分かりやすく説明してくれるのでぜんぜん難しくありません)
しかも、終盤で鮮やかなアクションシーンまで披露してくれます。「このスクール・カウンセラー、マジで何者!?」と読者の多くが驚くことでしょう。

謎解きもキャラの魅力も一級品の今作、みなさんもぜひぜひご覧下さい。

あと、ナミダ先生とルイちゃん先生が何者なのかは、織田さんの別の作品『よ… 続きを読む