Lost Note Cemetery

作者 溝呂木ユキ

良作をありがとうございました。

  • ★★★ Excellent!!!

誰が救われたか、救われたとは何なのか、そもそも救われた者はいるのかを明確にしないラストのぼかし方が好きです。少しビタースイートなんですよね。
タイトルの失われた音にちなんでこの作品を表現するなら、全体的に暗くておとなしいメロディなんだけど、途中から強く黒くピアノの鍵盤をおしこむような曲調になり、エピローグで緩やかに終曲に向かいつつ少し明るく優しくなる感じ。
『野菊の墓』の寒村に似た雰囲気や、両想いなのにそれを繋げられない環境、でも心奥に秘めた恋慕に焦がれる距離感が、上手く溝呂木テイストで再醸成されていたと思います。
個人的に嬉しいのは、この娘達が『あこフィル』できっと、幸せになってくれるであろう事。原作『野菊の墓』でも、この『新訳・野菊の墓』でも、普通の二人の生活を送れなかっただけに、代わりにどこかの世界線で繋がれ、結ばれるなら、それは読者として見てみたい情景ですね。
紆余曲折・二転び三起きありましたが、とにかく連載終了、おめでとうございます&お疲れ様でした。これからもっと溝呂木先生が飛躍・活躍される事を祈りつつ、感想を終わりと致します。

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